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「えっ!また同じやり方?」と驚かせたトヨタ・RAV4、その理由とクロスオーバーSUVとして性能

2年ぶりの復活を遂げたトヨタのクロスオーバーSUV(決してSUVではありません)のRAV4、テレビCMなども積極的に流し、売り込みにかなり力を入れているようで素人の目で見ればそれらの宣伝広告を真に受けて「新しいRAV4が出たんだぁ・・・オフロードもそこそこイケそうだ!」などといった印象を持つかもしれませんが、我々のような自動車関係者の中では「裏で」全く違うことが言われています。
それが・・・

「えっ!また同じやり方?」
「全く同じパターンではないか」

といった落胆の声です。

ではどうしてそのようなことが裏でささやかれているのかといったところをこの車のクロスオーバーSUVとしての性能の良し悪しとあわせて見ていきたいと思います。

トヨタ・RAV4ってこんな車

「新型RAV4って評判が良さそうだけど・・・」
「変な噂も聞きませんが・・・」

と言う方がほとんどでしょう。

確かに表向きは、久しぶりの発売ということもあり、テレビCMなどでオフロード走行をする映像が流されているのでクロスオーバーSUVとしての優れた性能を持っているかのように見えたり、Webサイトや雑誌などで高い評価がされているのでそういいたくなると思います。
しかしこれは表向きでのことです。

我々のような自動車関係者はそのようなうわべだけの販売戦略に引っかかることはなく、もっと深いところを見てその車に評価を下します。
しかし、その評価を表に出すことができない場合があるのです。

得てしてそういった評価というのは、その車に対して、自動車メーカーに対して良く無い評価であることがほとんどなのですが、どうしてそういった評価を表に出せない、堂々と記事にできないのかというと、そういったことを公開してしまうとそれ以降、自動車メーカー主催のイベントや新車発表会、試乗会などに呼ばれなくなってしまうからです。
自動車関係者の中にはそういったものに頼って仕事をしている方が大勢います。
雑誌や大手の情報サイト、それからウィキペディアなどがそうです。

要するに悪いことを書くとそれ以降、自動車メーカーから嫌われて、取材などができなくなってしまい仕事に支障が出てしまうということです。
なので、雑誌や大手の情報サイトなどでは褒めたたえる記事しか書きませんし、関係者のブログやSNSなどでも悪いことは書きません。
それからウィキペディアについても「事を荒立てない」ように自動車メーカーが公式発表したことを真に受けてそれが正しいことであるというスタンスを取っているのです。

だからこの新しいRAV4においても「えっ!また同じやり方?」などといった批判的なことが言われていないかのようにされてしまうわけです。

では、どうして裏で「えっ!また同じやり方?」と言われているのかを見ていきますが、それを知るにはこの車の歴史に触れなければなりません。

トヨタ・RAV4の歴史

RAV4は、世界的にSUVとかクロスオーバーSUVという概念がほとんど認識されていなかった1994年にデビューしました。

当時は「オフロードを走る車」といった形で勘違いされていて注目を浴びていましたが、当時発売されていたT200型セリカのコンポーネントの一部を使って作られていたモノコックフレームを持つ正真正銘のクロスオーバーSUVとして作られていました。
セリカのコンポーネントを使っていたといっても当時のトヨタは現在のような「流用モデルしか作らない自動車メーカー」には完全になっていなかったことと、このモデルが日本人のような「ごまかし」が効く相手ではなく、いい加減な車作りはすぐに販売台数に影響してしまう海外向けモデルとしても作られていたことから、かなりRAV4ならではのオリジナル性を持たせた形で作られていました。

これは2000年に発売された2代目モデルにおいてもそうでした。

2代目モデルでは、ベースをE110系型カローラとして作られた形となっていましたが初代モデル同様にオリジナル性の高い車になっていました。

2005年に発売された3代目モデルも同様で、今度は新MCプラットフォームを使った初めてのモデルとして、ある意味で先駆者的な一面を持たされた形で発売されました。

しかしこのモデルあたりから少しずつ現在のトヨタの車作りを思い起こさせるような作り方がされるようになってしまいました。
それが4WDシステムの簡易化です。

初代モデル、2代目モデルではフルタイム4WDシステムといってもセンターデフ付きのオフロード走行もそこそこ考えたつくりを持つものが採用されていたのですがこの3代目モデルからは「電子制御」という言葉に隠されてはいるもののいわゆる「生活四駆」、スタンバイ式4WDシステムが採用されるようになり、オフロードでのトラクション性能が大幅に低下してしまったのです。

このことからこの3代目モデルは最初こそ売れましたが、化けの皮が剥がれていくのと同時にどんどん人気がなくなり、それが「4代目モデルの日本国内での販売中止」に繋がったのです。

4代目モデルは2013年に発売され、3代目モデルのほとんどのものをキャリーオーバーする形で作られ、北米エリア、EU、アジア圏などだけで販売されていました。

そして2018年に日本でも発売されるのようになったのがA50系型RAV4です。

このモデルでは現在のトヨタの車作りの特徴が炸裂し始めます。
それはどういうことかといいますと「オリジナル性がほとんどない流用モデル」として作られたということです。

どの車を流用してこのRAV4を作ったのかというと、それFF大型セダンとして既に発売されているV70型カムリです。
ではここでカムリとRAV4の共通点を示しておきます。

プラットフォーム
・・・TNGA-Kプラットフォーム(Kプラットフォームの名称を変えたもの)
サスペンション構造
・・・フロント:マクファーソンストラット リヤ:ダブルウィッシュボーン
●ハイブリッドモデルのハイブリッドシステム:リダクション機構付きTHS-II
●ハイブリッドモデルのエンジン:A25A-FXS型
ハイブリッドモデルの電気モーター:3NM型

次に構造的に違う部分も挙げておきます

●ボディ形状
●ホイールベース:RAV4の方が13.5センチ短い
●ガソリンエンジンモデルの設定
・・・
エンジンはUXに搭載されているものと同じ
●4WDモデルの設定
・・・
従来からある電気モーター式4WDシステムE-Fourを搭載
●ハイブリッドモデルのハイブリッドバッテリー
・・・
カムリはリチウムイオンバッテリー

こうしてみると車の根幹にあたる部分、特にハイブリッドモデルはボディとバッテリーの種類が違いだけでそれ以外の部分はほとんど同じといえます。

ただ、こういった流用モデルだからということで「えっ!また同じやり方?」といわれるようになったのではありません。
そんなことを言い始めたら現在のトヨタの車全てにそう言わなければなりませんのでそうではないのです。

そういわれるようになったのは、「あるモデルの作られ方、流用方法と全く同じ」だからです。

プリウスからC-HRを作った時と同じ方法

RAV4が発売される前に小型クロスオーバーSUVとして発売され、今でこそ化けの皮が剥がれたことでトンと人気がなくなってしまいましたが発売当初は大量のバックオーダーを抱えるほどの人気ぶりとなっていたC-HR、C-HRは皆さんもご存じ通り、プリウスのクロスオーバーSUVとして、プリウスを流用する形で作られたモデルです。

実はC-HRを作る時のプリウスからの流用方法が今回のRAV4がカムリからの流用方法とほぼ同じなのです。

同じである点を挙げてみましょう。

●プラットフォーム・シャシー
・プリウス対C-HR:TNGA-Cプラットフォームと共通だがC-HRの方がホイールベースが短い
・カムリ対RAV4:TNGA-Kプラットフォームと共通だがRAV4の方がホイールベースが短い

●ボディ形状の変更方法
・プリウス対C-HR:ボディシェルだけを置き換えた形
・カムリ対RAV4:ボディシェルだけを置き換えた形

●ハイブリッドシステム
・プリウス対C-HR:両車とも全く同じ
・カムリ対RAV4:両車とも全く同じ

●ハイブリッドモデルのエンジン
・プリウス対C-HR:両車とも全く同じ
・カムリ対RAV4:両車とも全く同じ

●ハイブリッドモデルの電気モーター
・プリウス対C-HR:両車とも全く同じ
・カムリ対RAV4:両車とも全く同じ

●ハイブリッドモデルのハイブリッドバッテリー
・プリウス対C-HR:プリウスはリチウムイオンバッテリーがメイン、C-HRはニッケル水素バッテリー
・カムリ対RAV4:カムリはリチウムイオンバッテリー、RAV4はニッケル水素バッテリー

●モデルバリ―ション
・プリウス対C-HR:プリウスはハイブリッドモデルのみ、C-HRはハイブリッドモデルとガソリンエンジンモデル
・カムリ対RAV4:カムリはハイブリッドモデルのみ、RAV4はハイブリッドモデルとガソリンエンジンモデル

●ガソリンエンジンモデルに採用されているエンジン
・プリウス対C-HR:既に他のモデルに採用されているエンジンでハイブリッドモデルよりも小さなエンジン
・カムリ対RAV4:既に他のモデルに採用されているエンジンでハイブリッドモデルよりも小さなエンジン

●ロードクリアランスの確保の方法
・プリウス対C-HR:コイルスプリング・ショックアブソーバーによって高めただけ
・カムリ対RAV4:コイルスプリング・ショックアブソーバーによって高めただけ

このようにプリウスからC-HRを作り出した時のやり方とカムリからRAV4を作り出した時のやり方が全く同じなのです。
まるでC-HRの作り方を真似したかのようです。

流用モデルばかりで・・・

「やる気があるのか?」
「消費者を馬鹿にするな!」

と叫びたい中で、その流用モデルを作る方法も全く頭を使わずに過去のやり方の真似をするとは驚きました、トヨタの車作りには・・・

この部分を見て私たちは「えっ!また同じやり方?」といったわけです。
半ば呆れています。

トヨタ・RAV4のモデル構成・グレード構成

RAV4にはパワーユニット違いの2つのモデルが用意されています。

ガソリンエンジンモデル

ガソリンエンジンモデルには3つのグレードと1つのサブグレードが用意されています。

・X グレード(2WD・4WD)
・G グレード(4WD)
・G Zパッケージ グレード(4WD)
・アドベンチャー グレード(4WD)

最廉価グレードとなる「X」グレードには下記のような主要装備が採用されています。

・225/65サイズタイヤ
・17インチ×7Jアルミホイール
・ダイナミックトルクコントロール4WD(4WDモデルのみ)
・マルチテレインセレクト
・ドライブモードセレクト
・3灯式LEDヘッドランプ
・Toyota Safety Sense(Toyota Safety Sense P)

プリクラッシュセーフティ
レーントレーシングアシスト
レーダークルーズコントロール
オートマチックハイビーム
ロードサインアシスト

・ウレタン3 本スポークステアリングホイール
・ステアリングスイッチ
・スマートエントリー&スタートシステム
・アナログメーター
・ファブリックシート生地
・運転席6ウェイマニュアル調整機能
・助手席4ウェイマニュアル調整機能
・左右独立温度コントロールフルオートエアコン
・6スピーカー

この「X」グレードの装備に・・・

・225/60サイズタイヤ
・18インチ×7Jアルミホイール
・ガンメタリック塗装フロントグリル
・シルバー塗装スキッドプレート
・ブラック塗装リヤサイドスポイラー
・カラード+高輝度シルバー塗装バックドアガーニッシュ
・メッキモール付アウトサイドドアハンドル
・フロントフォグランプ風タウンランプ
・足元照明付LEDサイドターンランプ付オート電動格納式リモコンカラードドアミラー
・自動防眩インナーミラー
・インテリジェントクリアランスソナー
・リヤクロストラフィックオートブレーキ
・ブラインドスポットモニター
・本革巻き+サテンメッキ加飾付3本スポークステアリングホイール
・ステアリングヒーター
・本革巻き+サテンメッキ加飾付セレクターノブ
・オプティトロンメーター
・7.0インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイ
・合成皮革+ステッチ付シート生地
・運転席8ウェイパワー調整機能
・運転席シートポジションメモリー
・運転席2ウェイ電動ランバーサポート
・運転席・助手席快適温熱シート
・パワーバックドア
・バックカメラ

といった装備を追加したのが「G」グレードで更に・・・

・235/55サイズタイヤ
・19インチ×7.5Jアルミホイール
・ダイナミックトルクベクタリングAWD(スタンバイ式4WD)
・ダイヤル式マルチテレインセレクト
・ダウンヒルアシストコントロール
・デジタルインナーミラー
・ハンズフリーパワーバックドア

を追加したのがサブグレードの「G Zパッケージ」グレードとなります。

ガソリンエンジンモデルの最上級グレードとなる「アドベンチャー」グレードには「G」グレードの装備に・・・

・235/55サイズタイヤ
・19インチ×7.5Jアルミホイール
・ダイナミックトルクベクタリングAWD(スタンバイ式4WD)
・ダイヤル式マルチテレインセレクト
・ダウンヒルアシストコントロール
・専用フロントバンパー
・専用フロントグリル
・専用スキッドプレート
・専用ホイールアーチモール
・ブラックリヤサイドスポイラー
・カラードバックドアガーニッシュ
・カラードアウトサイドドアハンドル
・ウレタン3 本スポークステアリングホイール
・専用・合成皮革+ステッチ付シート生地
・運転席8ウェイパワー調整機能
・運転席シートポジションメモリー
・スポーティシート

の追加と

・ステアリングヒーターの廃止
・インテリジェントクリアランスソナーの廃止
・リヤクロストラフィックオートブレーキの廃止
・ブラインドスポットモニターの廃止
・本革巻き+サテンメッキ加飾付セレクターノブの廃止
・運転席シートポジションメモリーの廃止
・運転席・助手席快適温熱シートの廃止
・バックカメラの廃止

を行ったものです。

ハイブリッドモデル

ハイブリッドモデルには2つのグレードが用意されています。

・HYBRID X グレード(2WD・4WD)
・HYBRID G グレード(4WD)

HYBRID X」グレードの装備はガソリンエンジンモデルの「X」グレードの装備に・・・

・E-Four(4WDモデルのみ)
・TRAILモード(4WDモデルのみ)
・Bi-Beam LEDヘッドランプ
・LEDクリアランスランプ
・車両接近通報装置
・S-FLOW左右独立温度コントロールフルオートエアコン

を追加したもので、更に・・・

・225/60サイズタイヤ
・18インチ×7Jアルミホイール
・シルバー塗装スキッドプレート
・フロントフォグランプ風タウンランプ
・インテリジェントクリアランスソナー
・リヤクロストラフィックオートブレーキ
・ブラインドスポットモニター
・本革巻き+サテンメッキ加飾付3本スポークステアリングホイール
・ステアリングヒーター
・本革巻き+サテンメッキ加飾付セレクターノブ
・オプティトロンメーター
・7.0インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイ
・合成皮革+ステッチ付シート生地
・運転席8ウェイパワー調整機能
・運転席シートポジションメモリー
・運転席2ウェイ電動ランバーサポート
・運転席・助手席快適温熱シート
・パワーバックドア
・バックカメラ

といった装備が追加したものが「HYBRID G」グレードとなります。

トヨタ・RAV4の動力性能

RAV4には2種類のパワーユニットが用意されています。

2リッターNAエンジン

・エンジン型式:M20A-FKS型
・エンジン排気量:約2リッター
・エンジン形状:直列
・シリンダー数:4気筒
・バルブ構造:DOHC16バルブ
・燃料供給:半直噴

スペックは・・・

・最大出力:171ps/6600rpm
・最大トルク:21.1kgf・m/4800rpm

※リッターあたり:約85.5ps
※パワーウェイトレシオ:9.5kg/ps

このエンジンは、UXのガソリンエンジンモデルに搭載されているものと全く同じですが、UXよりもわずかにパワーもトルクもダウンしています。
理由は燃費性能を向上させようとしたためです。

エンジン自体の性能はZR型エンジンのそれと等しく、実用型エンジンとしての性能しか持たされていません。
かなり非力です。

2.5リッターNAエンジン+ハイブリッドシステム

●エンジン
・エンジン型式:A25A-FXS
・エンジン排気量:約2.5リッター
・エンジン形状:直列
・シリンダー数:4気筒
・バルブ構造:DOHC16バルブ
・燃料供給:半直噴

●電気モーター(フロント駆動用)
・形式:3NM型

●電気モーター(リヤ駆動用)
・形式:4NM型

スペックは・・・

●エンジン
・最大出力:178ps/5700rpm
・最大トルク:22.5kgf・m/3600rpm~5200rpm

●電気モーター(フロント駆動用)
・最大出力:120ps
・最大トルク:20.6kgf・m

●電気モーター(リヤ駆動用)
・最大出力:54ps
・最大トルク:12.3kgf・m

●システムパワー:218ps

※リッターあたり:約87ps
※パワーウェイトレシオ:7.75kg/ps

このパワーユニットの組み合わせはカムリやESに採用されているものと全く同じで、4WDモデルはそのシステムに電気モーター式のスタンバイ4WDシステムのE-Fourが追加されたものです。

いくら低燃費を狙ったモデルだからといっても、仮にもクロスオーバーSUVとして販売しているモデルでこの低いパワーでどこを走れというのでしょうか。

トヨタ・RAV4の走行性能

このモデルは、車の作りを見るとオンロードのセダンモデルであるカムリそのものなので、オンロードでの走行性能を基準して評価すべきなのですが、販売戦略的にクロスオーバーSUVとして販売されていることから、ここはクロスオーバーSUVとしての走行性能を評価してみたいと思います。

トランスミッション

トランスミッションは搭載されているパワーユニットによって決められています。

●CVT
これはガソリンエンジンモデルに採用されているものです。

トヨタのカタログには「トヨタブランド国内初」などといった形で書かれていますが、これはこれはうまい言い回しを見つけたものです。

このCVTは既にUXに搭載されているもので、エンジン共々そっくりこのRAV4に移植した形になるのですが、そこは「三河の機織り機商人」のトヨタです、ただでは済ましません。

「トヨタモビリティ店」で販売するモデルと「レクサス店」で販売するモデルをわざわざ分けて、そのうちの「トヨタモビリティ店」の中で「初搭載」としているのです。
何もそこまでして「」をうたうようなものでもないと思うのですが・・・。

CVT自体は、トヨタ名として「Direct Shift-CVT」と呼ばれているちょっと変わったものです。
簡単にいえば15km/h以下では1速ギヤに相当するギヤでの駆動を行い、スピードが15km/h以上になったら普通のCVTと同じようにベルト変速を行うといった構造が取られているだけのものです。
どうやらCVT特有の「スタート時のもっさり感」をなくすための機能であるようですが、確かにゼロスタート加速や15km/h以下のノロノロ運転ではもっさり感をあまり感じなくなりましたが、ベルト変速に移行した後の中間加速や高速域での加速では相変わらずの「ベルト・ズルズル感」が発生します

たったこれだけの機能が付けられただけでわざわざ販売店で分けて「トヨタブランド国内初」などと言うのも恥ずかしいことです。

それなら何も言わずに10速の多段式オートマチックトランスミッションやクロスオーバーSUVらしく6速マニュアルトランスミッションなどをつけた方がよっぼど自慢できるのではないでしょうか。

●ギヤ式無段変速機
これはハイブリッドモデルだけに採用されているトランスミッションです。

トヨタのハイブリッドモデルでおなじみのトヨタ名「電気式無段変速機」と呼ばれている遊星ギヤと電気モーターの抵抗を使って無段変速を可能にしたものです。
ハイブリッドシステムの構造の一部となっているためどうしてもこれしか用意できないのです。

ボディ剛性・強度

KプラットフォームからTNGA-Kプラットフォームに変わったといっても早い話、呼び名が変わっただけでそれだけでボディ剛性や強度が向上するわけはなく、更にトヨタの売り文句を信用したとして、構造用接着剤を使ったり、ホットスタンプ材をキャビン周りだけに使ったとしても、もともとの鋼材の質が悪く、フレームを構成する鋼板の厚みがペラペラでは何の役にも立ちません。

それにホットスタンプ材の使用ですがこれはボディ剛性を高めるためのものではなく、衝突安全ボディの基準を満たすだけのものですから、走行性能にはほとんど影響がないのです。

さもいろいろなことをしているからボディ剛性が高まっていますよとか、乗り心地がよくなっていますよオフロードもしっかり走れますよ・・・みたいなことを言っていますが、やっていることは走行性能に寄与するボディ剛性とは全く別の次元の話です。

結局は軟なボディ剛性しか持たされていない「ブリキのおもちゃ」です。
この車を購入して長く乗り続けたいのであれば、オフロード走行はしない方がいいでしょう。

トヨタの販売戦略に騙されて何でもよく取らないようにしましょう。

サスペンション構造

カムリベースのですのでサスペンション構造もカムリと同じものとなります。

・フロントサスペンション:マクファーソンストラット
・リヤサスペンション:ダブルウィッシュボーン

コイルスプリングとショックアブソーバーによってロードクリアランスが高く取られてはいますが、オフロードを走るためのサスペンション構造、オフロード走行を得意とするサスペンション構造ではないことは確かです。

なぜならオンロードしか走らないことを前提とされている大衆セダンのカムリやその高額モデルであるESと全く同じものだからです。

4WDシステム

RAV4には3つの4WDシステムが用意されています。

●ダイナミックトルクコントロール4WD
これはガソリンエンジンモデルの「X」グレード、「G」グレードに採用されているものです。
「電子制御」というありがたい言葉にスポイルされたごく普通のスタンバイ式4WD、要するに生活四駆用の4WDシステムです。
フロントタイヤが空転した時と加速した時だけリヤタイヤにトラクションが掛かるだけのものです。

●ダイナミックトルクベクタリングAWD
これはガソリンエンジンモデルの「アドベンチャー」グレードと「G Zパッケージ」グレードに採用されているものです。

構造としては「ダイナミックトルクコントロール4WD」に、リヤタイヤの左右のトルク配分を制御する機能「トルクベクタリング機構」と完全FF状態である時にプロペラシャフトの連結をカットする「ディスコネクト機構」を追加しただけのちょっと豪華なスタンバイ式4WDです。

●E-Four
これはハイブリッドモデルに採用されているものです。
もともとはフロント駆動用の大きな電気モーターをエスティマの狭いエンジンルームに収められなかったことからリヤタイヤの駆動輪として、それをもう1つの電気モーターで回そうとしたということから生まれたもので、いうなれば疑似4WDシステムです。
今日のトヨタではこれをハイブリッドモデル用の4WDシステムと位置付けていろいろなモデルに採用しているようですが、最初はエスティマをハイブリッド化するための妥協技術であったわけです。

構造は簡単、独立した電気モーターで必要な時にリヤタイヤを回すだけです。
制御はダイナミックトルクコントロール4WDと同等レベルで、間違ってもオフロードを走る時に頼りになる4WDシステムといえません
生活四駆用です。

トヨタ・RAV4の燃費性能

●ガソリンエンジンモデル

・カタログ燃費(WLTCモード):最大15.8km/L
・実燃費:約9km/L

●ハイブリッドモデル

・カタログ燃費(WLTCモード:最大21.4km/L
・実燃費:約12km/L

WLTCモードになっても相変わらずトヨタのカタログ燃費は実燃費とかなりの開きがあるようです。

どちらも思ったほど走らないことがわかります。
それでも一応・・・

・半直噴機能
・可変バルブタイミング機構
・電動パワーステアリング機構
・CVT(ガソリンエンジンモデル)
・オルタネーター制御(ガソリンエンジンモデル)
・ハイブリッドシステム(ハイブリッドモデル)
・アイドリングストップ機構(ハイブリッドモデル)

などといった低燃費装備がたくさんつけられているのですが・・・不思議です。

まとめ

「トヨタから新しいモデル発売された」といっても必ずしもそのモデルが全く新しい構造を持っているということにはならないということが、そして構造や部品を流用するやり方も過去のものを参考にして行われることもあるということもよくわかったかと思います。

ましてやオンロード用の大衆セダンからオフロードを走るイメージを持たせた販売戦略を取るクロスオーバーSUVを作るのですから驚きます。

そのような形で作られた車のなかの1台となるのがこのA50系型RAV4なのです。
こうしてみると流用の方法だけでなく、車の作り、走りの性能もC-HRと同じようにオンロードだけを走る「なんちゃてクロスオーバーSUV」であることがよくわかります。

これからは車の本当の良し悪しを判断する時に、決して販売戦略に騙されないように、イメージ戦略や売り文句に左右されないようにしましょう・・・特にトヨタの車を見る時は・・・。

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