トヨタ

クロスオーバーSUVのトヨタ・C-HRが売れなくなった2つの理由

2016年12月の発売当時は、大量のバックオーダーを抱えるほど大人気となったトヨタの小型クロスオーバーSUVのC-HR、その後半年間は絶好調の売れ行きとなっていましたが2017年の夏が終わるころからだんだんと実際の販売台数(いい加減な統計とは違う販売店単位で調べた販売台数)が少なくなっていき2017年の年末あたりでは積極的に売り込まないと売れない車となってしまいました。
更に売れなくなってきた頃と時を同じくして買ったばかりのC-HRが大量に中古車市場に流れ込んできたようです。

今でも「表向き」は大ヒットモデルとされていますが、実際にはあまり売れなくなってきた・・・どうしてこのようなことになってしまったのでしょうか。

実はこれには2つの大きな理由があるのです。
その理由とC-HRの車としての性能を見ていきましょう。

トヨタ・C-HRってこんな車

まずは生い立ちを・・・といってもこのモデルは非常に歴史が浅いモデルですので生い立ちといえるようなものはないですが、とりあえず発売から現在までを追ってみます。

発売開始は2016年の12月、昨今のクロスオーバーSUVブームに乗る形で発売されました。
バリエーションは1.8リッターエンジンを搭載するハイブリッドモデルと1.2リッターターボエンジンを搭載するモデルの2つとなります。
当時はトヨタがそれまでこそこそやってきた「あこぎ」なことを正当化するために提唱し始めた「TNGAによって開発されたプラットフォームを使って作られた第2弾モデルとして鳴り物入りで発売開始されました。
(これがのちに販売不振の理由の一つになるとも知らないで・・・)

その後、世の中では大人気とされ、統計でもバカ売れしていることが明らかにされているのに2017年の夏と秋に特別仕様車が発売されました。
通常、「特別仕様車」というものは、販売不振に対抗するための「テコ入れとして使われる手段なので当時のC-HRのような大ヒットモデルには全く必要がないものです。
特にトヨタは余計なことに全くお金を使わない自動車メーカーであるため、それこそ大ヒットモデルに特別仕様車を作るというのはあり得ないことなのです。

実はこの時、既にトヨタはC-HRが実際は売れなくなってきていることがわかっていたと推測されます。
2017年にクロスオーバーSUVで一番売れたモデルとされてもそれは全く意味がないことだったようです。
現に2018年5月にはガソリンエンジンモデルにクロスオーバーSUVとしては全く必要がないFFモデルを投入したり、2018年12月にはドレスアップモデルとなる特別仕様車を発売しています。

いわゆる大ヒットモデルとされる車に対して、発売からたった2年の間でこれだけのテコ入れを行うことは異例中の異例で、特にトヨタの車としてはこれまで絶対にありえなかったことです。

この事実を裏返せば、実はこのC-HRというモデルは販売台数統計とは違う実際の販売台数がかなり少ないモデル、人気のないモデルであるということが言えるのです

実際に私がC-HRを扱う販売店にいる友人・知人を通じて、関東近県の約35店舗分のC-HR販売台数を集めてみたのですが、発売当初は確かに表向きでいわれているような大人気ぶりを見せていたようですが、販売台数統計ではあいかわらずの「バカ売れ状態」とされている2018年の夏ごろから急激に販売台数が落ちてきているのです。

ここである団体が発表する販売台数統計と実際の販売台数が違うではないか・・・ということを追求するつもりはありません。
そもそも統計など利権が絡んでいるものですので正確ではありませんし、これ以上追求するとちょっと面倒臭いことになりそうですのでここは、「統計と実際の数字には違いがある」ということだけ理解しておいてください。

ではここでC-HRの実際の人気が落ちている理由を見ていきたいと思います。

C-HRの実際の人気が低い理由

実際にはあまり売れていない、生産台数を減らしてバックオーダーを増やすことであたかも人気あるように見せるようにしたのには以下のような2つの理由があるとされています。

クロスオーバーSUVであってクロスオーバーSUVでないこと

C-HRは車の構造的なカテゴリー上では、「クロスオーバーSUV」に属するモデルです。
クロスオーバーSUVとは、SUVから派生したモデルで「モノコックフレーム」を用いて作られたSUVのことを言います。

そもそもSUVとは何かということですが、もともとはアメリカの地方に住む若年層がマイカーとして乗り回していた4WDのピックアップトラック(アメリカの若年層の一部の中ではピックアップトラックに乗るのがカッコいいとされている)をサーフィンやスキューバダイビング、スキー、キャンプ、登山などといったアウトドアスポーツやアウトドアレジャーをするための移動手段として使ったのがきっかけで生まれたものです。

アウトドアスポーツ・アウトドアレジャーといえば、日本でもそうですがアメリカでは特に現地に行くまでに多少なりともオフロード走行を強いられますし、何かと荷物が増えるものです。
そういったことに適していたのが普段乗りまわしている4WDのピックアップトラックだったのです。

しかし遊びに行くとなると何かと長距離の移動になりがちで、その間ずっと乗り心地の硬いピックアップトラックに乗りつづけるのは大変ということで、ピックアップトラックをベースにして少し乗用車的な、ワゴンモデル的なエッセンスを加えた乗用モデルを作ったのです。
それが「SUV」なのです。

なので、SUVは以下の3つの条件をクリアしていなければなりません

★SUVの3大条件

・ピックアップトラックベースであることからくる「ラダーフレーム」の使用
・ピックアップトラック同様にそこそこの「積載能力」があること
・多少なりともオフロード走行を強いられるため「オフロード走行性能」を持っていること

ちなみにこの条件の合致している国産車は2019年5月現在で・・・

・トヨタ ランドクルーザー・プラド
・トヨタ LX
・三菱 デリカD:5

だけとなります。
※ランドクルーザー、パジェロ、ジムニー、ジムニー・シエラは正式にはSUVではなくクロスカントリー4WDとなります。

この3つの条件のひとつでもクリアできていないモデルはSUVではなく他のカテゴリーの車となるわけですが、そういった車の中で唯一明確なカテゴリーがされているのが「クロスオーバーSUV」なのです。
クロスオーバーSUVはラダーフレームではなく、多くの乗用モデルに使われているフレーム構造の「モノコックフレーム」を使って作られた車のことで、それ以外の条件である「積載能力」とそれなりの「オフロード走行性能」(クロスカントリー4WDものまでは必要としない)を持っていることになります。

これが現在のクロスオーバーSUVのありかたです。

クロスオーバーSUVはSUVの1種ではなく、SUVとは別のカテゴリーとなります。
クロスオーバーSUVのことを「SUV」とする傾向がありますが、それは知識ない人間が言い始めて、それが広まってしまった間違った風潮と自動車メーカーやそれに関わる小売店などが販売戦略的に用いただけのことです。
正しくはクロスオーバーSUVは「SUV」とはせずに「クロスオーバーSUV」とします。

さて、この在り方をクロスオーバーSUVとして販売されているC-HRにあてはめてみると、まずはモノコックフレームを使って作られているので「SUV」ではなく、「クロスオーバーSUV」であることがわかります。
次に残された2つの条件ですが・・・

・「積載能力」:ラゲッジスペースの幅も奥行も高さもなく、到底アウトドアスポーツやアウトドアレジャーの大量の荷物に対応できていないのでクリアできていない。

・「オフロード走行性能」:ロードクリアランスは多少高く取られ、タイヤも外径が大きなものになっているが、サスペンションストロークが短いうえにハイブリッドモデルはFFモデルのみ、ガソリンエンジンモデルにはある4WDモデルも「生活四駆」などと呼ばれているスタイバイ式4WDしか採用されていないことからこちらもクリアできていない

ということになります。

こうなってくるともはやクロスオーバーSUVではなく、単なる車高の高いクロスオーバーSUV風のワゴンモデルです
我々はこういった車のことを「なんちゃってクロスオーバーSUV」と呼ぶのですが、C-HRはまさにそう呼ばれるのにふさわしい車なのです。

発売当初はそういったことに気が付く方も少なく、クロスオーバーSUVとしてC-HRをみて、そして購入した方も多かったのですが、いざクロスオーバーSUVとして使ってみたら荷物は積めない、オフロードも雪の上も軽乗用車レベルの走りしかできないということでうんざりしてすぐに売りに出す、そしてそういったことが広まってきたことで買う人が少なくなっていったのです。

現在、この車をクロスオーバーSUVとして買う人はおらず、クロスオーバーSUVが何たるかを知らない知識の浅い人、車なら何でも同じと思っているような方たちだけにワゴンモデルとして買われているようです。

プリウスのクロスオーバーSUVであるということ

このモデルはTNGAのCプラットフォームを用いて作られたモデルなのですが、だからといって全く新しい設計のもと作られた車ではなく、実は既存モデルの流用モデルであることがわかっています。
その流用元となるのは、メインが4代目プリウスのZVW50型で、一部にE180系型オーリスが入ってきます。

ZVW50型はTNGA-Cプラットフォームに1.8リッターの2ZR-FXE型に1NM型電気モーターを組み合わせ、リダクション機構付きTHS-IIで制御するといったパワーユニットを搭載して作られていますが、実はC-HRのハイブリッドモデルも全く同じです。
ホイールベースがプリウスより6センチほど短くなっていますがこれはシャシーの寸法が違うではなく、サスペンションの取り付け位置とハブが違うことそうなってしまっただけのことで、シャシー構造からサスペンション構造までも全く同じです。

一方、ガソリンエンジンモデルはハイブリッドモデルと同様にプリウスのシャシーに日本では生産終了という形になっていますがE180系型オーリスに搭載されていた1.2リッターターボエンジンを搭載した形で作られているのです。

要するにどちらのモデルも完全オリジナルということではなく、ボディ以外はすべて使いまわしであるということ、そしてそのほとんどがプリウスと同じであることから「プリウスのクロスオーバーSUV」であるといえるのです。
このことは、一般的にはあまり知られていませんでした・・・というかトヨタが一所懸命になって隠そうとしてきたことでしたので、車に詳しい人間以外は全く知られていなかったのです。
当時、SNSなどで「C-HRはプリウスのクロスオーバーSUVバージョンだ!」といったとたんに猛反撃をくらうことがあったぐらい知られていなかったのです。

しかし、我々のような人間がそれにも負けずいろいろなところで「プリウスとC-HRはほとんど同じ」といい続けたことでそれが広く理解されるようになったことで、既にC-HRオーナーとなった方は、「オヤジ車と一緒は嫌だ」ということで売りに出し、これから新車を買おうとする方も少なくなったのということなのです。

これからC-HRを買おうとしている方、あるいは現在、維持している方は、このことを知らないか、「車は燃費が良ければ何でもいい」と思っている方ぐらいです。ぜひとも教えてあげてください。

トヨタ・C-HRのモデル構成・グレード構成

ここからは現在発売されているモデルについて見ていきたいと思います。
まずは販売面についてです。

C-HRにはパワーユニット違いのモデルが2つ用意されています。

ハイブリッドモデル

ハイブリッドモデルには2つのグレードと1つのサブグレードが設定されています。

・S グレード(2WDのみ)
・S LEDパッケージ グレード(2WDのみ)
・G グレード(2WDのみ)

標準的な装備として・・・

・215/60サイズオンロードタイヤ
・17インチ×6.5Jアルミホイール
・プロジェクター式ハロゲンヘッドランプ
・Toyota Safety Sense(旧・Toyota Safety Sense P)

プリクラッシュセーフティ
レーンディパーチャーアラート
オートマチックハイビーム
レーダークルーズコントロール

・スマートエントリー&スタートシステム
・ファブリックシート生地
・左右独立温度コントロールフルオートエアコン
・6スピーカー
・イモビライザー

などといったものを持つ「S」グレードに対して・・・

・LEDヘッドランプ
・LEDリヤコンビネーションランプ
・本革巻き3本スポークステアリングホイール

を追加したのがサブグレードの「S LEDパッケージ」グレードで更に・・・

・225/50サイズオンロードタイヤ
・18インチ×7Jアルミホイール
・リヤフェンダーライナー
・ピアノブラック塗装ドアウインドウフレームモールディング
・LEDフロントフォグランプ風タウンランプ
・足元イルミネーションランプ・LEDサイドターンランプ付電動格納式ドアミラー
・スーパーUV・IRカット機能付フロントドアグリーンガラス
・自動防眩付防眩インナーミラー
・ブラインドスポットモニター
・クリアランスソナー&バックソナー
・ファブリック+本革コンビシート生地
・運転席電動ランバーサポート
・運転席・助手席 快適温熱シート
・運転席・助手席 シートバックポケット
・金属調+ソフト塗装インテリアパネル
・ピアノブラックインパネ
・照明付運転席・助手席バニティミラー付サンバイザー
・LEDイルミネーション付カップホルダー
・ナノイー機能

を追加したのが「G」グレードとなります。

ガソリンエンジンモデル

ガソリンエンジンモデルにおいても2つのグレードと1つのサブグレードが用意されます。

・S-T グレード(2WD・4WD)
・S-T LEDパッケージ グレード(2WD・4WD)
・G-T グレード(2WD・4WD)

各グレード間の装備に違いに関してはハイブリッドモデルのもの同様で・・・

・「S-T」グレード:「S」グレード相当
・「S-T LEDパッケージ」グレード:「S LEDパッケージ」グレード相当
・「G-T」グレード:「G」グレード相当

となります。

トヨタ・C-HRの動力性能

C-HRには2つのパワーユニットが用意されています。

1.8リッターハイブリッドシステム

●エンジン
・エンジン型式:2ZR-FXE
・エンジン排気量:約1.8リッター
・エンジン形状:直列
・シリンダー数:4気筒
・バルブ構造:DOHC16バルブ
・ミラーサイクル

●電気モーター
・形式:1NM型

●ハイブリッドシステム:リダクション機構付きTHS-II
●ハイブリッドバッテリー:ニッケル水素バッテリー

スペックは・・・

●エンジン
・最大出力:98ps/5200rpm
・最大トルク:14.5kgf・m/3600rpm

●電気モーター
・最大出力:72ps
・最大トルク:16.6kgf・m

●システムパワー:122ps

※リッターあたり:約67ps
※パワーウェイトレシオ:約11.8kg/ps

このパワーユニットはベースモデルとなるプリウスと全く同じもの、それから後から追加されたプリウスのハッチバックモデルのカローラ・スポーツに搭載されているハイブリッドシステムの組み合わせと寸分狂わず、何から何まで全く同じものです。

エンジンも同じ、電気モーターも同じ、インバーターやコンバーターも同じ、各機器の配線も全く同じ、パワースペックも全く同じといった有様です。

例えば、同じパワーユニットを搭載するモデルがすべて低燃費を目的とするモデルであれば問題ありません。
しかし、実際には・・・

・プリウス:低燃費を狙うためのエコカー、ハイブリッドカーのパイロットモデル
・C-HR:一応はクロスオーバーSUVで、オンロードもオフロードも走ることができるアウトドアスポーツ・アウトドアレジャー用の車
・カローラ・スポーツ:カローラシリーズの若返り策のための1台、一応はカローラのスポーティーモデル

といったように全く性格や狙うもの違うもの同士であって、それらが同じパワースペックを持つパワーユニットを共有しているというのはかなり無理があります。

それをトヨタが得意とする巧みな販売戦略をつかってそれぞれモデルのイメージを強く印象付けさせて、同じパワーユニットを使っていることなんとなくフワ~っとさせているだけです。
これが今のトヨタが取る商売の主たるやり方です。

それにしてもテレビCMなどでスポーティーさをうたって宣伝広告を売っている車しては、さすがに122ps、リッターあたり67ps、パワーウェイトレシオ11.8kg/psは非力過ぎませんか?
パワーウェイトレシオなど大衆セダンのプリウスより悪い数字になっています。

1.2リッターターボエンジン

・エンジン型式:8NR-FTS
・エンジン排気量:約1.2リッター
・エンジン形状:直列
・シリンダー数:4気筒
・バルブ構造:DOHC16バルブ
・燃料供給:半直噴
・過給器:ターボチャージャー

スペックは・・・

・最大出力:116ps/5200rpm~5600rpm
・最大トルク:18.9kgf・m/1500~4000rpm

※リッターあたり:約96ps
※パワーウェイトレシオ:約12.6kg/ps

このエンジンは、日本で2018年まで販売されていた国内2代目モデルとなるE180系型オーリスの「120T」グレードに搭載されていたものと同じで、C-HRよりも後発のカローラ・スポーツにも全く同じものが搭載されています。

ハイブリッドモデルではプリウスとカローラ・スポーツと同じパワーユニットを採用し、ガソリンエンジンモデルでも前・オーリスとカローラ・スポーツと同じパワーユニットを採用するというこの体たらく・・・全く持ってトヨタのは商売上手です。

こういったトヨタのやり方が見え見えであることもこのC-HRの販売不振に繋がっているのでしょう。

しかし、このエンジンも驚くぐらいパワーがありません。
仮にもターボエンジンですで、リッターあたり100ps以上は軽く出せるはずです。
それなのにたった116psとはまるで高齢者向けのコンパクトカーみたいです。

実際に運転してみたことがあるのですが、ターボチャージャーのブーストが掛かってもなかなか前に進まないといった印象と高回転が非常に重たいという印象を強く感じました。
スポーツ走行には全く持って向きませんので、あくまでも大衆生活車として乗りましょう。

それにしてもこの車に乗ってほめちぎる小林可夢偉ケイ・コッツォリーノ、お金のためとは言えかなりガッカリさせられました。

トヨタ・C-HRの走行性能

普通のクロスオーバーSUVだったらオンロードでの走行性能、オフロードでの走行性能の両方の走行性能を見ることになるのですが、クロスオーバーSUVの片隅にも置けないほどのみじめな「なんちゃってクロスオーバーSUV」として作られてしまっているC-HRではそこまでする必要もなく、兄弟車のプリウスやカローラ・スポーツと同じように大衆生活車としての走行性能を見るのが妥当でしょう。

トランスミッション

C-HRには、パワーユニットごとのトランスミッションが1つずつ設定されています。

●CVT
これはガソリンエンジンモデルのみに採用されている金属ベルト式の無段変速機です。
トヨタ名としては「Super CVT-i」とされていますが、構造的にはどの自動車メーカーにも必ず一つはあるごく普通のCVTです。

無段変速がメリットのCVTをわざわざ有段変速に見立てた疑似有段変速機能の7速スポーツシーケンシャルシフトマチックも付けらていますが、この機能を有効に使うだけのパワーを持っていません。
下り坂で強いエンジンブレーキを得るためだけの機能と思った方がいいでしょう。

このトランスミッションは後発の兄弟車であるカローラ・スポーツと全く同じもので、構造的な違いは全くないのですが、マニュアルモードの疑似有段変速数に違いが持たされています。
違いといってもギヤがあるわけでもなく、ただ単にプーリーの有効径を固定するための制御プログラムがちょっと違うだけです。

●ギヤ式無段変速機
これはハイブリッドモデルのみに採用されているものです。
ハイブリッドシステムであるTHS-IIの一部とされていることからトヨタのハイブリッドモデル、FF、FR、4WD問わずすべてのモデルにおいて同じものが使われています。
可もなく不可もなし、ただ普通に走るためだけのトランスミッションです。

ボディ剛性・強度

C-HRにおいて一番勘違いされやすい部分がこのボディ剛性に関する部分です。
トヨタが言うには、「TNGAの技術を使って新しいプラットフォームを与えた、それによってボディ剛性が高まった」などとされていますが、まったくもって新しいものではなく、3代目プリウスなどに使われていた新MCプラットフォームとほぼ同じものです。

そもそもTNGAのプラットフォームというのはどういうものかというと新しい技術ではなく、それまで隠れて行ってきた既存のプラットフォームを切った貼ったしていろいろな車に対応させるということをこそこそやってきた低コスト策としてではなく、それを今度は堂々と「これが新しいトヨタの技術です」と開き直ったかのように公表しただけのことです。

C-HRに使われているTNGA-Cプラットフォームも新MCプラットフォームの改良版であって、いろいろなプラットフォームのつぎはぎで構成されているものですからこれを使ったからといってボディ剛性が格段によくなるはずがありません。

ボディ剛性は鋼材の良し悪しと構造によって決まるわけですから、コスト削減のための安くて質の悪い鋼材を仕入れて、使用量を減らすためにペラペラな部品を作るのをやめない限り、この車に必要なボディ剛性、トヨタが押し出すスポーティーさを持ったクロスオーバーSUVに必要なボディ剛性は得られません。

C-HRを含めたトヨタの車にあるのはボディ剛性ではなく、衝突安全性テストに合格するための「キャビンがつぶれない程度の強度」です。

サスペンション構造

サスペンション構造もベースモデルのプリウス、後発の兄弟車であるカローラ・スポーツと全く同じ・・・

・フロントサスペンション:マクファーソンストラット
・リヤサスペンション:ダブルウィッシュボーン

が採用されています。
大衆生活車のプリウスやカローラ・スポーツであればこれで十分だと思いますが、クロスオーバーSUVとして作り変えるために無理矢理ロードクリアランスを高く取ったことで、サスペンション構造自体の剛性不足が浮き彫りとなってしまいました。

コイルスプリングがたわむ前にサスペンションアーム、特にリヤサスペンションのロアアームとアッパーアームがグニャっと曲がることで乗り心地はよくなっていますが、より接地感のないものとなっています。

やはり大衆生活車は大衆生活車なりの走りがあっているようです。

トヨタ・C-HRの燃費性能

●ハイブリッドモデル

・カタログ燃費(JC08モード):最大30.2km/L
・実燃費:約18km/L

●ガソリンエンジンモデル(FF・2WD)

・カタログ燃費(JC08モード):最大16.4km/L
・実燃費:約11km/L

●ガソリンエンジンモデル(スタンバイ式4WD)

・カタログ燃費(JC08モード):最大15.4km/L
・実燃費:約10km/L

※採用されている低燃費装備

●ハイブリッドモデル

・ハイブリッドシステム
・アイドリングストップ機構
・可変バルブタイミング
・電動パワーステアリング
・ミラーサイクル制御

●ガソリンエンジンモデル(FF・2WD)

・アイドリングストップ機構
・可変バルブタイミング
・電動パワーステアリング
・ミラーサイクル制御
・直噴式燃料供給
・オルタネーター制御
・CVT

プリウス、カローラ・スポーツとの3兄弟モデル中で一番燃費性能が悪いのがこのC-HRとなります。
その理由はオフロード走行ができない割にはクロスオーバーSUVらしく見せるために行った・・・

・ロードクリアランスを確保するため全高の増加
・大径タイヤ

の採用によって、全面投影面積の拡大による空気抵抗の増加、タイヤの転がり抵抗の増加によって、あてにならないカタログ燃費はおろか、実燃費まで低下してしまっているといった状態です。

何が目的の車なのか、さっぱりわからなくなってきました。

まとめ

ここまでプリウスを意識しながらC-HRを見てきましたが、たしかにC-HRはプリウス以外の何物でもないようです。

そしてクロスオーバーSUVでもないオンロード向けのハッチバックワゴンモデルとしてみるべき車であるということ、突き詰めればクロスオーバーSUVブームに乗って売り出された価値のないごく普通の車であるということもいえるでしょう。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です