トヨタ

少しだけEVに近づいたプリウス、トヨタ・プリウスPHVは車としてどうか

4代目モデルZVW50型になってからだいぶ落ち着いてきましたが、依然として人気が高いハイブリッドカーの代名詞であるプリウス、このプリウスのプラグインハイブリッド版がこのプリウスPHVです。
実はこのモデルはただ単にプリウスのプラグインハイブリッドバージョンということではなく、プリウスの正常進化モデルといっていいものなのです。

では、何が正常進化なのか、そして自動車として、また走るクルマとしての本来の性能はどうなのかといったところを見ていきたいと思います。

なので、ここではデザインとか居住性といったカタログや情報サイト「みんカラ」を見ればわかるようなことや人それぞれで受け止め方が違うこと、そして自動車とは全く関係ない付加価値となる災害時の緊急用電源がとしてどうかといったことには触れません。
あくまでもここでは「自動車、プリウスPHV」として見ていきます。

トヨタ・プリウスPHVってこんな車

プリウスPHVは、トヨタのハイブリッドカーのパイロットモデルとして作られたプリウスをベースにして作られたプラグインハイブリッドモデルです。

このモデルが世の中にお目見えしたのは、プリウスはまだ大ヒットモデルであった3代目モデルZVW30型を発売していた時期の2009年12月で当初は、プラグインハイブリッドシステムの耐久性(主にリチウムイオンバッテリーの耐久性)に不安あったことからリースでの販売とされていました。

その後、プラグインハイブリッドシステムに信頼性が持てたのか、2012年1月にプリウスと同様に市販車両としての発売が始まりました。
これがプリウスPHVとしての初代モデルとなるZVW35型です。

プリウスPHVはあくまでもプリウスベースの車であるため、モデルチェンジなどにおいてプリウスとほぼ同時期にことを起こします。
プリウスの人気が低迷してきたことに対してプリウスは2015年12月に「隠れマイナーチェンジ」となる小規模なモデルチェンジを行います。

プリウスはこの段階で既にパイロットモデルとしての役目をはたしているのでそうなっても特におかしいことではなく、しごく当然のことである・・・次は生産終了か?

これにあわせるようにプリウスPHVもモデルチェンジを行うことになりましたが、プリウスでは採用されていなかった発電機をアシストモーターとして利用する「デュアルモータードライブシステム」の開発に手間取り、発売はプリウスから遅れること約1年と2か月後の2017年2月となってしまいました。

これが2019年5月現在で現行モデルとなる2代目モデルZVW52型です。

ベースモデルのプリウスがマイナーチェンジレベルのモデルチェンジだったことからこのプリウスPHVも先ほどいいましたプラグインハイブリッドシステムの改良と新機能の追加、それからリヤサスペンション構造以外のものはほぼ先代モデルと同じと言えるようなモデルチェンジとなりました。

ちなみにこのモデル、発売当時は本家のプリウスよりも高い評価がされていました。
その理由は燃費性能とか、プラグインハイブリッドシステムがどうのといったことではなく、単にデザイン面に対してのプリウスの評価が非常に低かったからです。

ご存じかと思いますが、発売当初のZVW50型プリウスにはかなり癖が強い「フロント周りのデザイン」「リヤ周りのデザイン」が与えられていました。
フロント周りなど非常にとげとげしく大衆モデルらしくありませんし、リヤ周りのデザイン・・・特にリヤコンビネーションランプはまるで香港の商店街にある看板みたいなセンスの悪さを感じます。

プリウスが発売された当時は選択肢がなかったので文句を言う方も少なったのですが、同じプラットフォーム、同じフレーム、同じボディパネルを使って作られ、デザインも大衆モデルらしい「大人しさ」を持つプリウスPHVが発売されてしまい、比較することができるようになってしまったことから、プリウスのデザインのセンスのなさ、悪さ、安っぽさが目立つようになったわけです。

これがあまりにも大きな話題となってしまったため、トヨタはプリウスに対して急遽、予定になかったマイナーチェンジを行いフロントバンパーとリヤバンパー、ヘッドライトアッセンブリー、リヤコンビネーションランプといった最低限の部品の交換でできる範囲内で前後のデザインの変更を行いました。
これでデザインに対する評価はこれでやっとプリウスPHVと同じぐらいとなり、今となってはデザインに関することは言われなくなりましたが、プリウスが発売されてすぐに買った方からは相変わらずの文句が出ているようです。

プリウスPHVのプラグインハイブリッドシステムとは

プリウスPHVに搭載されているプラグインハイブリッドシステムは、簡単にいえばプリウスに搭載されているリダクション機構付きTHS-IIに外部電源による充電機能をつけたもので、「リダクション機構付THS-II Plug-in」などと呼ばれています。
初代モデルのものはまさにリダクション機構付きTHS-IIに充電用のコンセントを後付けしたようなつくりとなっていましたが、この2代目モデルになって、プリウスのリダクション機構付きTHS-IIとはちょっと違う、リダクション機構付きTHS-IIにはない構造、「デュアルモータードライブシステム」が採用されています。

プリウスPHVの「デュアルモータードライブシステム」とは何か

ここではプリウスに搭載されているリダクション機構付きTHS-IIと比較しながら説明していきたいと思います。

リダクション機構付きTHS-II デュアルモータードライブシステム
電気モーターの数 1個 2個
電気モーター1の役割 発電と駆動 発電と駆動
電気モーター2の役割 なし 駆動専用

構造の違いは以上のようになります。

走行中の動作としては、リダクション機構付きTHS-IIでは電気モーターが1つしかないので、電気モーターを使って走っている時は電気モーターは駆動力だけに使われ、逆に発電が必要な時はエンジン走行に切り替えて電気モーターは発電に徹する必要があります。

対してデュアルモータードライブシステムでは電気モーターが2つありますので、駆動専用の電気モーターは常に駆動用として機能してもう1つの発電・駆動両用モーターはある時は発電機として、またある時はアシスト電気モーターとして機能させることができるようになっています。
要するに電気モーターで走りながら発電をすることができますし、発電が必要でないのであれば2つの電気モーターで走ることができるということです。

プリウスPHVの充電は

充電機能は3パターン用意されています。

●200V/16A充電
これは200Vの配線工事を行った自宅や充電スポットなどで行うことができる充電方法で、現在のEVやプラグインハイブリッドモデルにおいてメインとなる充電方法です。

プリウスPHVでは約2時間30分ぐらいで満充電にすることができます。

●100V/6A充電
これはいわゆる100Vの家庭用電源を使って充電する方法で、100Vの電気が来ているところであればどこでも充電できます。

プリウスPHVでは15時間から17時間ぐらいで満充電にすることができます。

●急速充電
これは充電スポットや高速道路のサービスエリア、道の駅、トヨタのディーラーなどに置かれる専用の急速充電施設で行うことができる方法で、車体側にも急速充電装置をつけておく必要があります。
プリウスPHVではメーカーオプション(75600円・・・がめつい、標準装備でいいのでは?で急送充電機能をつけることができるようになっています。

充電にかかる時間は20分から30分程度となりますが、満充電ではなく8割程度までしか充電できません。

トヨタ・プリウスPHVのモデル構成・グレード構成

プリウスPHVには2つのモデルが用意されています。

標準モデル

標準モデルには3つのグレードと2つのサブグレードが設定されています。

・S グレード
・S セーフティパッケージ グレード
・S ナビパッケージ グレード
・A グレード
・A ナビパッケージ グレード
・Aプレミアム グレード
・Aプレミアム ナビパッケージ グレード

廉価グレードとなる「S」グレードの装備に加えて・・・

・LEDフロントフォグランプ風タウンランプ
・ヒーター機能付LEDサイドターンランプ付オート電動格納式リモコンカラードドアミラー
・ブラインドスポットモニター
・リヤクロストラフィックアラート
・インテリジェントクリアランスソナー
・合成皮革巻き3本スポークステアリングホイール
・ピアノブラック加飾フロントコンソールトレイ
・6スピーカー

を追加したのが「S セーフティパッケージ」グレード
更にもう1つ、「S」グレードの装備に加えて・・・

・LEDフロントフォグランプ風タウンランプ
・ヒーター機能付LEDサイドターンランプ付オート電動格納式リモコンカラードドアミラー
・ブラインドスポットモニター
・リヤクロストラフィックアラート
・インテリジェントクリアランスソナー
・合成皮革巻き3本スポークステアリングホイール
・ピアノブラック加飾フロントコンソールトレイ
・先読みエコドライブ機能
・サテンメッキ加飾クラスターモール
・静電式ヒーターコントロールパネル
・T-Connect SDナビゲーションシステム
・6スピーカー
・パノラミックビューモニター
・ETC2.0 ユニット

を追加したのが「S ナビパッケージ」グレードとなります。

A」グレードは「S」グレードの装備に加えて・・・

・撥水機能付・遮音性ガラス使用スーパーUVカット機能付フロントドアグリーンガラス
・フロントピラー艶ありブラック塗装ガーニッシュ
・センターピラー艶ありブラック塗装ガーニッシュ
・LEDフロントフォグランプ風タウンランプ
・ヒーター機能付LEDサイドターンランプ付オート電動格納式リモコンカラードドアミラー
・ブラインドスポットモニター
・リヤクロストラフィックアラート
・インテリジェントクリアランスソナー
・アダプティブハイビームシステム
・シンプルインテリジェントパーキングアシスト
・ステアリングヒーター付き本革巻き3本スポークステアリングホイール
・運転席8ウェイパワーシート
・助手席4ウェイシート
・運転席電動ランバーサポート
・運転席・助手席快適温熱シート
・ピアノブラック加飾フロントコンソールトレイ
・トノカバー
・6 スピーカー

を追加したもので、それに・・・

・雨滴感応式オートワイパー
・先読みエコドライブ機能
・カラーヘッドアップディスプレイ
・サテンメッキ加飾クラスターモール
・静電式ヒーターコントロールパネル
・T-Connect SDナビゲーションシステム
・6スピーカー
・パノラミックビューモニター
・ETC2.0 ユニット

を追加装備したものが「A ナビパッケージ」グレードとなります。

Aプレミアム」グレードは「A」グレードの装備に・・・

・雨滴感応式オートワイパー
・自動防眩付防眩インナーミラー
・カラーヘッドアップディスプレイ
・本革シート生地
・運転席・助手席シートベンチレーション
・合成皮革巻き・ステッチ付
・フロント大型コンソールボックス

を追加したもので、更に・・・

・ナノイー機能
・先読みエコドライブ機能
・サテンメッキ加飾クラスターモール
・静電式ヒーターコントロールパネル
・T-Connect SDナビゲーションシステム
・6スピーカー
・パノラミックビューモニター
・ETC2.0 ユニット

を追加装備したものが「Aプレミアム ナビパッケージ」グレードとなります。

ドレスアップモデル

これはトヨタが単独で大衆スポーツモデルを作る勇気がないことを穴埋めするために設けられたモデルGRスポーツ(旧・G’s)」に属するもので、動力性能や走行性能などが全くグレードアップされていないことから単なるドレスアップモデルとされます。

従って、このモデルを選んだからといって速く走ることもコーナーリングを攻めることもできません。
見た目だけの優越感にひたるだけのモデルです。
それにそもそもプリウスPHVを含めたプリウスシリーズは、ガソリン代をケチりたい人のために作られた車ですのでそれに対して「スポーティーさ」を与える必要はありません。

このモデルには2グレードが用意されています。

・S GRスポーツ グレード
・S ナビパッケージ GRスポーツ グレード

S GRスポーツ」グレードは、標準モデルの「S」グレードをベースにして作られたもので、その「S」グレードの装備に・・・

・225/40サイズタイヤ ダンロップ SP SPORT 2050
・専用18インチ×7.5J アルミホイール+ホイールキャップ
・専用サスペンションセット(コイルスプリング・ショックアブソーバー)
・専用ボディ補強パーツ
・専用ホワイト塗装ブレーキキャリパー
・専用フロントグリル
・専用フロントバンパー
・専用大型フォグランプ風タウンランプベゼル
・専用フロントコーナーベゼル
・専用リヤコーナーベゼル
・専用リヤバンパー
・専用リヤバンパーロアカバー
・専用ボディストライプ
・専用フロントアンダースポイラー風エクステリアドレスアップパーツ
・専用アルミテープ
・専用4灯式LEDヘッドランプ
・専用LEDクリアランスランプ
・専用LEDフロントフォグランプ風タウンランプ
・専用LEDリヤコンビネーションランプ
・専用ハイマウントストップランプ
・専用ブラックLED サイドターンランプ付オート電動格納式リモコンドアミラー
・アダプティブハイビームシステム
・専用本革巻き3本スポークステアリングホイール
・専用スタートスイッチ(GRロゴ付)
・スマートエントリー&スタートシステム
・専用スモークブラック加飾セレクターノブ
・専用アルミペダル
・運転席・助手席快適温熱シート
・専用メーターフード
・専用センタークラスターパネル
・専用センタークラスターモール
・専用レジスターノブ
・専用サイドレジスター
・専用フロントピラー
・専用フロントドアスイッチベース
・専用リヤドアスイッチベース
・専用フロント&リヤドアアームレスト
・専用フロアマット
・専用フロント大型コンソールボックス
・専用ラゲージマット
・専用トノカバー
・6スピーカー

を加えたもので、更に・・・

・「S ナビパッケージ GRスポーツ」専用18インチ×7.5J アルミホイール+ホイールキャップ
・先読みエコドライブ機能
・T-Connect SDナビゲーションシステム
・DCM
・ETC2.0 ユニット

を追加したものが「S ナビパッケージ GRスポーツ」グレードとなります。

御覧の通り、どちらのグレードも動力性能を向上させるものが使われているわけではありませんし、走行性能に関しても・・・

・サスペンションキットを硬くしたことで、プラシーボ効果によりスポーティーな車になっていると思わせているだけ
ボディ補強ももともと軟な部分を補強しただけのもの
エクステリアパーツも見た目を狙っただけで空気抵抗は増大
・タイヤも転がり抵抗が増しただけでタイヤのグリップに足周りが負けている

といった始末です。
なので、スポーツモデルでもスポーティーモデルでもない「ドレスアップモデルなのです。

トヨタ・プリウスPHVの動力性能

プリウスPHVには全モデル共通のパワーユニットが搭載されています。

1.8リッタープラグインハイブリッドシステム

●エンジン
・エンジン型式:2ZR-FXE
・エンジン排気量:約1.8リッター
・エンジン形状:直列
・シリンダー数:4気筒
・バルブ構造:DOHC16バルブ
・ミラーサイクル

●電気モーター
・形式:駆動専用=1NM型 発電・アシスト用=1SM型

ハイブリッドシステム:リダクション機構付THS-II Plug-in
●ハイブリッドバッテリー:リチウムイオンバッテリー

スペックは・・・

●エンジン
・最大出力:98ps/5200rpm
・最大トルク:14.5kgf・m/3600rpm

●電気モーター(駆動専用)
・最大出力:72ps
・最大トルク:16.6kgf・m

●電気モーター(発電・アシスト用)
・最大出力:31ps
・最大トルク:4.1kgf・m

●システムパワー:122ps

※リッターあたり:約67ps
※パワーウェイトレシオ:約12.5kg/ps

システムパワー的にはハイブリッドモデルのプリウスと全く同じ数字となります。
実際の走りとしては、重量がわずかに重たいことからプリウスよりは動きが鈍重になるようです。
特に中間加速がかなり遅く感じます。

トヨタ・プリウスPHVの走行性能

低燃費を目指した車であるため、走行性能は動力性能のさらに次ということでかなり軽視されています。

トランスミッション

トランスミッションもハイブリッドモデルのプリウスとほぼ同じものといっていいでしょう。
遊星ギヤと発電用電気モーターの負荷で無段変速を実現したトヨタ名「電気式無段変速機」と呼ばれるギヤ式の無段変速機です。
THS-IIの一部として機能しているため選択肢はなく、性能に関しても「可もなく不可もなし」です。

ボディ剛性・強度

安く作るために鋼材の質を落とす、材料の使用量を減らすためにボディやフレーム、シャシーなどの構成部品の厚みを薄くする・・・こんな作り方をしているものに後から・・・

・溶接の方法を変えました
・溶接する箇所を増やしました
・ドレスアップモデルの「GRスポーツ」にボディ補強パーツをつけました

などいったことをしてもちっともボディ剛性など高まることなどありません。

ベースモデルのプリウス同様、ブリキ缶で作った車といえます。

サスペンション構造

これもプリウスと全く同じものです。

・フロントサスペンション:マクファーソンストラット
・リヤサスペンション:ダブルウィッシュボーン

プリウスシリーズも最近になってやっとのこと四輪独立懸架になったといった具合ですが、だからといって走行性能やコーナーリング性能が劇的に向上したわけではなく、乗り心地が良くなっただけと思ってください。
リアサスペンションとして与えらえたダブルウィッシュボーンもストローク不足で四輪独立懸架の良いところを活かしきれていません。

ドレスアップモデルの「GRスポーツ」に与えられているサスペンションセットもコイルスプリングのスプリングレートを少し高め、フロントサスペンションのものだけ1センチ程度ローダウンするコイルスプリングを使用、ショックアブソーバーもノーマルのショックアブソーバーのキャパシティ一杯まで減衰力を高めただけのもので、ドライバーが「いかにもスポーティー」といった感覚になるようにしただけのものです。

プリウスPHVはガソリン代をケチりたい方向けの車なのですから乗り心地がそこそこ良ければ良いじゃないですか。
この車に何を求めるのですか?

トヨタ・プリウスPHVの燃費(電費)性能

この車はプラグインハイブリッドモデルですのでハイブリッドモデルのように単純に燃費性能だけでは良し悪しを判断できません。
そこでここでは・・・

・ハイブリッド燃費
・充電電力使用時走行距離

の2つで見ていきましょう。

まずハイブリッド燃費ですが、こちらはプリウスのようにハイブリッドモデルとして走った時の燃費性能で、外部から充電した電力を一切使わない状態での燃費性能を表します。

こちらは・・・

・カタログ燃費(JC08モード):最大37.2km/L
・実燃費:約25km/L

となります。

対して充電電力使用時走行距離は、EVのようにフル充電のバッテリーの電気を使ったどれだけの距離を走ることができるのかという数字で、EVですと航続距離としてあらわされるものです。
プリウスPHVでは・・・

・カタログ値(JC08モード):最大68.2km
・現実値:約50km

この2つをつかってガソリンタンク満タン法でトータルでの燃費性能を計算してみると・・・

カタログ燃費37.2km/L×ガソリンタンクの容量43リッター=ハイブリッド時の航続距離 約1600km
ハイブリッド時の航続距離 約1600km+EV走行時の航続距離 68.2km=トータルでの航続距離 約1668km
トータルでの航続距離 約1668km÷ガソリンタンクの容量43リッター=トータルでの燃費性能 約38.8km

となることがわかります。
ただしこれはあくまでもトヨタのカタログ値を基に計算しているものですから全く持ってあてになりません。
実際に公道を走った時の数字を使って計算しなおすと・・・

実燃費25km/L×ガソリンタンクの容量43リッター=ハイブリッド時の航続距離 約1075km
ハイブリッド時の航続距離 約1075km+EV走行時の実航続距離 50km=トータルでの航続距離 約1125km
トータルでの航続距離 約1125km÷ガソリンタンクの容量43リッター=トータルでの燃費性能 約26.1km

となります。
カタログ値で計算した時の値であれば買う価値がありますが、実際のデータで計算するとハイブリッドモデルのプリウスの実燃費と同程度ではありませんか

ただ、この計算は一度もガソリンの補給もなく充電もない状態でガソリンと電気をすべて使いきった時の仮想的な数字ですのでこれを真に受ける必要はありません。
例えば、毎日50km以下しか走らないのであれば自宅で充電した電気だけで走ることができますので、理論上はガソリンを1滴も使わないことになります。

この辺がプラグインハイブリッドモデルのいいところでもあり、悪いところでもある部分で、車の使い方によって「有難み」が変わってくるのです。

トヨタ・プリウスPHVのライバルは?

プリウスPHV以外のモデルで、大衆ファミリーセダンでプラグインハイブリッドモデルとして発売されているのは、ホンダのクラリティPHEV以外には存在しません。

パワースペック比較

●プリウスPHV

1.8リッター直列4気筒DOHC NAエンジン+リダクション機構付きTHS-II Plug-in
・エンジン:2ZR-FXE型
・電気モーター:1NM型+1SM型

※システムパワー:122ps

●クラリティPHEV

1.5リッター直列4気筒DOHC NAエンジン+スポーツハイブリッドi-MMD プラグインハイブリッド仕様
・エンジン:LEB型
・電気モーター:H4型

※システムパワー:184ps

エンジン排気量的にはプリウスPHVの方が有利なのですが、クラリティPHEVの方が駆動用電気モーターのパワーが高いため、システムパワーもクラリティPHEVの方が上になるといった具合です。

燃費(電費)比較

●プリウスPHV

・ハイブリッド燃費:カタログ燃費=37.2km/L 実燃費=約25km/L
・充電電力使用時走行距離:カタログ値=68.2km 実際値=約50km

●クラリティPHEV

・ハイブリッド燃費:カタログ燃費=28.0km/L 実燃費=約26km/L
・充電電力使用時走行距離:カタログ値=114.6km 実際値=約90km

ハイブリッド燃費の実燃費、充電電力使用時走行距離の実際値、どちらにしてクラリティPHEVの方が抜群に優れていることがわかります。

販売価格帯比較

●プリウスPHV:約318万円~約427万円
●クラリティPHEV:約588万円

販売価格帯としては「安売り王のトヨタ」が発売するプリウスPHVに軍配が上がりますが、動力性能や燃費性能(電費)を見てしまうと100万円以上の金額を上乗せしてでもクラリティPHEVを買った方がいいように思えます。

まとめ

そもそもEVを作ろうとして失敗した結果がハイブリッドモデルでだったので、このプリウスPHVのようなプラグインハイブリッドモデルはEVに少しだけ近づいたことを意味していることからプリウスの進化型といっていいかもしれません。
FCVのMIRAIが大失敗に終わっていることからもトヨタとしてはこの車に頑張ってもらいたいと思っていることでしょう。

しかし、こうしていろいろと見ていくとエコカー、低燃費を狙った車、ガソリン代をケチりたい人向けの車としてはまずまずの車であることはわかりますが、そればかりに囚われてしまっているせいで自動車としての走りの性能がひどいことになっています。

くだらない後付けドレスアップモデルの「GRスポーツ」など作っていないで、もう少し車の根幹から「走りの性能」の部分を見直してもらいたいものです。

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