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やっとミニバンになれたトヨタ・シエンタ、それまでの姿と走りの性能を知る

国産ミニバンの中で最下位クラスとなる小型ミニバン、その小型ミニバンの中で最近よく売れているモデルがトヨタのシエンタです。
実はこのモデル、長らく販売されている中で2代目モデルへとモデルチェンジしてから急激に売れるようになったちょっと不思議な車なのです。

小型ミニバンということでいろいろな面で中途半端であることは確かですが、急激に売れるようになった理由とミニバンとしてではなく、1台の「クルマ」としての性能を見ていきたいと思います。

なので、デザインとかインテリアとシートアレンジとか、そういったごく一般的でカタログを見ればわかるようなことは書きませんのであしからず・・・。

トヨタ・シエンタってこんな車

2019年4月現在、現行モデルとなるのが2015年に発売されたP170G系型です。
このモデルはシエンタとしての2代目モデルとなり、初代モデルは2003年に発売されました。

初代シエンタは大失敗作だった

初代モデルが発売された2003年以前のころは、大型ミニバンや中型ミニバンは確固たる地位を築き、車としてもきちんとしたものが発売されていましたが、こと小型ミニバンとなるとまだあまり認知されていませんでしたし、車もトヨタの車でいえば、イプサムやカローラ・スパシオといったミニバンであるようなトールワゴンであるような作りを持っていたものしかありませんでした。

そういった小型ミニバンに、「小型ミニバンの定義」といっても過言ではないモデルがホンダから発売されたのです・・・それが「モビリオ」でした。

モビリオは2001年に発売されたモデルで、当時大ヒットモデルとなっていた初代フィットのプラットフォームを利用して、そのシャシーにグラスエリアが広い1.5ボックス形状のトールミニバンボディを乗せ、フィットと同うようの1.5リッターNAエンジンを載せた形で作られていました。

この車は物珍しさもあって非常によく売れました。
特にボディサイズが小さいことから女性ドライバー、とりわけ主婦層の女性ドライバーが子育て用の車として活用するための需要がかなりありました。

これを見たトヨタもそのモビリオの二番煎じを狙おうと計画します。
綿密なマーケットリサーチを行い、それによって導き出された「子育て中の主婦層向け小型ミニバン」という概念にピッタリな車を作ったのです。
それがシエンタでした。

ヴィッツベースのファンカーゴに使われていたNBCプラットフォームのエンジンベイ周りとカローラ・スパシオで使われていたMCプラットフォームの後ろ半分を繋ぎ合わせた急場しのぎのシャシーに、モビリオ同様の1.5ボックスボディ、1.5リッターNAエンジンを載せた形で作られました。
特にボディ形状とインテリアのデザインは、女性が好むような丸みにあるやさしいイメージのあるものとし、そしてこの車がミニバンであることの証拠となるサードシートは、子育て中の主婦があまり使わず、荷物置き場とすることが多いのを知っていたため、まるで360cc時代の軽自動車のリヤシートみたいなチープで簡素ですが折りたたみが簡単にできるものを搭載していました。

このモデルは発売当時はそれなりに売れ、小型トールミニバンの人気をホンダのモビリオを二分する形となりました。
しかしその後すぐにシエンタの販売台数を激減させる出来事が起こったのです。

このシエンタが発売されたのは2003年の9月のことですが、そのすぐ後の11月に子会社であるダイハツから軽スーパーハイトワゴンの「タント」が発売されました。
軽スーパーハイトワゴンといえばバリバリの「ママさん車」で当時のシエンタのターゲット層と「まるカブリ」してしまう車です。
しいて違うところといえば軽自動車登録車であることと、2列シートか3列シートの違いでしたが、主婦層にとっては経済的で運転のしやすい小さなボディを持つ軽自動車の方がいいわけですし、ママさん車として乗るにはむしろ3列目のシートはいらないということで、それまでの小型ミニバンの需要がそっくりタントに持っていかれてしまったのです。

これによって大打撃を受けたのは小型ミニバンの中でもシエンタだけでした。
なぜならシエンタは開発段階から主婦層向けとして作られていましたが、モビリオはそうではなく誰もが乗れるような大衆小型ミニバンとして作られていたからです。
要するにシエンタは狙い過ぎて、その狙いがタントにかっさらわれてしまったということです。

これで一気に販売台数が減ってしまい、発売された翌年の年始めには既に「トヨタの失敗作」とレッテルを貼られてしまったのでした。

フリードによってシエンタは生産中止に

発売から1年も経たないうちに販売台数が激減するといった状態になった大失敗作のシエンタですが、その後さらに追い打ちをかけられることになります。
それは、「モビリオの生産終了」と「フリードの発売開始」です。

早い話、モビリオが世代交代して新しくフリードとなってデビューしたということです。
このモデルはモビリオと同じようにフィットをベースとする小型ミニバンとして作られていたモデルですが、デザインはモビリオをよりも洗練されシャープなイメージに、そして広いキャビン、それなりに使えるサードシートといったようなファミリーミニバンとしての性能も高い車として作られていました。

これはこれは良く売れました。
ハイブリッドカーの代名詞がプリウスであるようにこのフリードも「小型ミニバンの代名詞」とされるぐらいの人気ぶりでした。
当然ながら主婦層向け廉価小型ミニバンのシエンタはこれで更に大打撃を受けます。
マイナーチェンジをしてもダメ、特別仕様車を発売してもダメ・・・といった感じでしたがダラダラと2010年までは発売が続けられたのちに10月に生産が止まります。

「モデルチェンジか?!」

と思うのも無理はありませんが、モデルチェンジではなく「一次生産中止」です。

実はこのシエンタがあまりにも売れなかったことから急遽ダイハツからOEM供給を受けて、「パッソ・セッテ」という同じく小型ミニバンを発売して、シエンタは一代限りで生産終了にする予定だったのですが、残念ながら検討が外れてそのパッソ・セッテもシエンタ以上に売れない車となってしまったことから、モデルチェンジなしでシエンタの継続販売がされるようになったのです。

しかし継続販売といっても同じものをずっと売り続けても売れないだけですので、ここは1度生産を止めて、ビッグマイナーチェンジを行ってからまた発売を開始するということになりました。

直接的な原因とは言えませんが、シエンタはフリードによって生産中止の追い込まれたといっていいでしょう。
シエンタの販売が再開されたのは、生産中止から約8カ月後の2011年5月でした。
ビッグマイナーチェンジを行ったため、基本となる部分は全く変わりませんが見た目が大きく変わりました。
しかし、それでも販売台数は伸びず、後継モデルの開発が終わった2014年に「大失敗作」の汚名を保ったまま生産終了となりました。

2代目シエンタはアクアベース

初代モデルの販売終了と共に2015年の7月に発売開始されたのが2代目シエンタとなるP170G系型です。
このモデルは先代モデルで大失敗を繰り返さないようにとターゲットを絞らずに誰もが乗ることができるような無難な小型ミニバンとして作られました。

そして最大の特徴となるのが、ハイブリッドモデルが作られたことです。
ライバルとなる初代フリードにもIMAというハイブリッドシステムを搭載したハイブリッドモデルがありましたが、それに対抗すべくシエンタにもハイブリッドモデルを作ったのでした。

先代モデルはファンカーゴベースで作られていましたが、このモデルはコンパクトハイブリッドモデルで既に人気モデルとなっていたアクアがベースで作られていました。
ただ、ファンカーゴも元をたどればヴィッツがベースアクアのもとをたどれば、ラクティスからヴィッツとつながることからヴィッツがベース、どっちみち先代モデルも2代目モデルもヴィッツがおおもとになっているということになります。

アクアがベースになっているといったのは、ハイブリッドモデルのハイブリッドシステムがアクアと全く同じであるから・・・というよりは最初からアクアのハイブリッドシステムを流用することになっており、そのためにプラットフォームもハイブリッドシステムを移植しやすいようにとBプラットフォームの改良版を使ったといった方が正しいでしょう。

「燃費が良ければよい車」とされる現代ではハイブリッドモデルは大きな武器となりますので、このモデルはかなり売れました。
まるで初代モデルのマイナスを取り返すかのようです。

ただ、2019年現在ではサードシートに使い勝手の悪さや狭いキャビン、思ったより悪い燃費性能といって欠点が表沙汰となったため、かなり落ち着いた需要となっています。

トヨタ・シエンタのモデル構成・グレード構成

シエンタにはパワーユニットの違いとシート数の違いで複数のモデルが用意されています。

ミニバンモデル(ガソリンエンジン)

このモデルは1.5リッターNAエンジンをパワーユニットとする3列シートモデルです。
グレードは3グレードで、駆動方式はすべてのグレードにFFの2WDとスタンバイ式4WDの4WDが用意されています。

・X グレード(2WD:7人乗り 4WD:6人乗り)
・G グレード(2WD:7人乗り 4WD:6人乗り)
・Gクエロ(Cuero) グレード(2WD:7人乗り 4WD:6人乗り)

X」グレードを最廉価グレードとして、その装備に・・・

・高遮音性UVカット機能付ウインドシールドグリーンガラス
・プリクラッシュセーフティ
・レーンディパーチャーアラート
・オートマチックハイビーム
・先行車発進告知機能
・タイマー付リヤウインドゥデフォッガー
・オプティトロンメーター
・マルチインフォメーションディスプレイ
・本革巻き+サテンメッキピアノブラック加飾付3本スポークステアリングホイール
・本革巻きセレクターノブ
・ステアリングスイッチ
・両側ワンタッチスイッチ付パワースライドドア
・スマートエントリー&プッシュスタートシステム
・スマートロック操作パワースライドドア予約ロック機能
・ピアノブラック+サテンメッキ センタークラスターパネル
・サテンメッキ シフトベゼル
・高輝度シルバー+メッキ レジスター加飾
・メッキフロント インサイドドアハンドル
・ファブリック巻きフロントドアアームレスト
・エンジンスイッチイルミネーテッドエントリーシステム
・高輝度シルバー カップホルダー
・助手席シートバックポケット
・蓄冷エバポレーター付オートエアコン
・ダイヤル式ヒーターコントロールパネル
・上級ファブリック シート生地
・運転席アームレスト

を追加したのが「G」グレードで、更に・・・

・ブラック×シルバー塗装 樹脂ホイールキャップ
・インテリジェントクリアランスソナー
・LEDヘッドランプ
・LEDライン発光テールランプ&ストップランプ リヤコンビネーションランプ
・コンライト
・上級ファブリック巻き フロントドアトリム
・上級ファブリック巻き フロントドアアームレスト
・合成皮革×スエード調 シート生地
・6スピーカー

を追加したのが「Gクエロ」グレードとなります。

ミニバンモデル(ハイブリッド)

3列シートのハイブリッドモデルには、ガソリンエンジンモデルとほぼ同じグレード構成、装備が与えられています。
ただ、ハイブリッドモデルには構造上、FFの2WDモデルだけとなり、定員も7人乗りだけとなります。

・ハイブリッドX グレード(7人乗り)
・ハイブリッドG グレード(7人乗り)
・ハイブリッドGクエロ(Cuero) グレード(7人乗り)

装備に関してですが各グレードに設定されている装備やグレード間での違いはガソリンエンジンモデルと同等のものとなりますが、ハイブリッドモデルだけに与えられている装備もありますので、ここに挙げておきます。

●ハイブリッドモデルにだけ与えらている装備設定

・高遮音性UVカット機能付ウインドシールドグリーンガラス:「ハイブリッドX」グレードに標準化
・ECB(電子制御ブレーキシステム)
・車両接近通報装置
・ハイブリッドオプティトロン専用メーター
・マルチインフォメーションディスプレイ:「ハイブリッドX」グレードに標準化
・ハイブリッドシステムインジケーター
・ウレタン+サテンメッキ 3本スポークステアリングホイール:「ハイブリッドX」グレードに設定
・ステアリングスイッチ:「ハイブリッドX」グレードに標準化
・モードスイッチ
・クルーズコントロール:「ハイブリッドX」グレード以外に設定
・パワースイッチイルミネーテッドエントリーシステム:「ハイブリッドX」グレード以外に設定
・オートエアコン:蓄冷エバポレーターの廃止
・アイドリングストップ機能の廃止(ハイブリッド制御に含まれる)

トールワゴンモデル(ガソリンエンジン)

このモデルは3列シートのミニバンモデルからサードシートを取り去ってそこをラゲッジスペースとした5人乗りモデルの中で、ガソリンエンジンを搭載したものです。

グレードは2種類で、駆動方式はFFの2WDのみとなります。

・FUNBASE X グレード
・FUNBASE G グレード

装備に関してはガソリンエンジンを搭載したミニバンモデルとほぼ同じで・・・

・「FUNBASE X」グレードは「X」グレード相当
・「FUNBASE G」グレードは「G」グレード相当

となります。

ただ5人乗りモデル特有の装備というものもありますので以下に挙げておきましょう。

・アクセサリーソケットのリヤデッキサイドへの追加
・5:5分割式大型デッキアンダートレイ
・チルトダウン機構付6:4分割セカンドシート

トールワゴンモデル(ハイブリッド)

ハイブリッドモデルもグレードは2つで駆動方式もFFの2WDのみとなります。

・ハイブリッドFUNBASE X グレード
・ハイブリッドFUNBASE G グレード

装備に関してもガソリンエンジンモデルと同じようにミニバンモデルのものとほぼ同じで5人乗りモデルならではの装備も全く同じです。

・「ハイブリッドFUNBASE X」グレードは「ハイブリッドX」グレード相当
・「ハイブリッドFUNBASE G」グレードは「ハイブリッドG」グレード相当

トヨタ・シエンタの動力性能

シエンタにはガソリンエンジンを搭載したモデルとハイブリッドシステムを搭載したモデルの2つが存在しますが、ガソリンエンジンを搭載したモデルでは駆動方式にあわせて違うエンジンが使われていることから、全部で3つのパワーユニットが存在することになります。

FFモデル用ガソリンエンジン

・エンジン型式:2NR-FKE
・エンジン排気量:約1.5リッター
・エンジン形状:直列
・シリンダー数:4気筒
・バルブ構造:DOHC16バルブ
・ミラーサイクル

スペックは・・・

・最大出力:109ps/6000rpm
・最大トルク:13.9kgf・m/4400rpm

※リッターあたり:約72.6ps
※パワーウェイトレシオ:約12.1kg/ps

このエンジンは、ヴィッツ、スペイド・ポルテなどに搭載されているエンジンと構造もパワースペックも全く同じものです。
シエンタやこれらのモデルはトヨタの車ですが、この2NR-FKE型エンジンはダイハツが開発、設計、生産したものです。

4WDモデル用ガソリンエンジン

・エンジン型式:1NZ-FE
・エンジン排気量:約1.5リッター
・エンジン形状:直列
・シリンダー数:4気筒
・バルブ構造:DOHC16バルブ

スペックは・・・

・最大出力:103ps/6000rpm
・最大トルク:13.5kgf・m/4400rpm

※リッターあたり:約68.6ps
※パワーウェイトレシオ:約13.4kg/ps

このエンジンもヴィッツ、スペイド・ポルテなどに搭載されているエンジンと構造もパワースペックも全く同じものですがこちらは正真正銘のトヨタ製のエンジンとなります。

4WDモデル用に採用されているエンジンですが、エンジン特性が4WD向きであるとか、トルクフルであるということで採用されているのではなく、ただ単に4WDモデルに採用されているスタンバイ式4WDがこのエンジン用に作られているからで他のエンジン用に改良してしますと余計にコストがかかってしまうことを避けたかったからです。

ハイブリッドシステム

●エンジン
・エンジン型式:1NZ-FXE
・エンジン排気量:約1.5リッター
・エンジン形状:直列
・シリンダー数:4気筒
・バルブ構造:DOHC16バルブ
・ミラーサイクル(疑似アトキンソンサイクル)

●電気モーター
・形式:2LM型

●ハイブリッドシステム:リダクション機構付きTHS-II
●ハイブリッドバッテリー:ニッケル水素バッテリー

スペックは・・・

●エンジン
・最大出力:74ps/4800rpm
・最大トルク:11.3kgf・m/3600~4400rpm

●電気モーター
・最大出力:61ps
・最大トルク:17.2kgf・m

※システムパワー:100ps
※リッターあたり:約66ps
※パワーウェイトレシオ:約13.8kg/ps

これはアクアやヴィッツ、カローラ・アクシオ、カローラ・フィールダーなどといった1.5リッターエンジン搭載のハイブリッドモデルに搭載されているハイブリッドシステムと全く同じものです。
唯一違いがあるのは、駆動用の電気モーターで、アクアが1LM型となっているところ、このモデルでは2LM型となりますが、違いは型番だけであってパワースペックは1LM型と全く同じですので違いはないといっても良いでしょう。

車両重量の軽いアクアならまだましですが、1.4トン近い車両重量を持つシエンタにおいてたった100psは、あまりにも非力です。

この非力さはシエンタの人気を低下させている1つの原因と考えられます。

トヨタ・シエンタの走行性能

アクアで使われているBプラットフォームを改良したものを使っていることからシャシー性能はアクアとほぼ同等と見ていいでしょう。
逆にホイールベースが伸ばされていることかシャシー性能は低下しているといってもいいと思います。

トランスミッション

トランスミッションはパワーユニットにあわせて2つのものが用意されています。

●CVT
CVTはガソリンエンジンを搭載したFFモデル、4WDモデルのすべてに採用されているものです。
トヨタでは「Super CVT-i」と呼んでいますがなんてことはないごく普通のCVTです。

一応、FFモデルと4WDモデルでは変速幅に違いが設けられています。

●ギヤ式無段変速機
これは搭載されているハイブリッドシステム、THS-IIに内蔵される形で採用されているものですので、このモデルのみならず、トヨタのTHS-II搭載モデルすべてに採用されています。

通常のCVTのように金属ベルトを用いて変速を行うのではなく、プラネタリーギヤと電気モーターの組み合わせで無段変速を行います。

ボディ剛性・強度

低価格モデルのアクアと同じプラットフォームを使って作られている上、更にホイールベースのストレッチ、開口面積が広く、全高の高いボディ・・・これだけの要素が集まっているわけですからボディ剛性が高いはずがありません。

中央部分にあるスライドドアを中心にすぐにねじれが発生してしまうことでしょう。

サスペンション構造

このモデルでは、フロントサスペンションは全モデルで共通で、マクファーソンストラットが採用されているのですが、リヤサスペンションは駆動方式によって分けられています。

FFの2WDモデルとFFモデルしかないハイブリッドモデルでは、低価格大衆モデルで定番となっているトーションビームとなり、4WDモデルにはダブルウィッシュボーンが使われています。
これはトーションビームにリヤ駆動用のドライブトレーンをつけることが構造的にできないため、当時はまだ発売されていたウィッシュのリヤ周りのシャシーを流用したことで車格にあわないような独立懸架のダブルウィッシュボーンが採用されたというわけです。

どうせならFFモデルにも最悪のサスペンション構造であるトーションビームではなく、乗り心地もロードホールディング性も優れているダブルウィッシュボーンを採用しても良かったのではないでしょうか。

トヨタ・シエンタの燃費性能

●FFモデル(2NR-FKE型エンジン搭載)

・カタログ燃費(JC08モード):最大20.2km/L
・実燃費:約12km/L

●4WDモデル(2NZ-FE型エンジン搭載)

・カタログ燃費(JC08モード):最大15.4km/L
・実燃費:約10km/L

●ハイブリッドモデル

・カタログ燃費(JC08モード):最大28.8km/L
・実燃費:約15km/L

小型とは言ってもミニバンは燃費性能に対して非常の不利な車体(重量、空気抵抗など)を持ちますので、だいたい平均して燃費性能は悪くなるものです。
比較的設計が新しいシエンタでもこれくらいにしかなりません。

しかし、相変わらずトヨタの車はカタログ燃費と実燃費の乖離が激しいです。

トヨタ・シエンタのライバルは?

シエンタのライバルといえば、初代モデルを生産中止に追い込んだ張本人といってもいいホンダのフリード以外には考えられません。

フリードは、シエンタがモデルチェンジした後すぐにモデルチェンジを行い、こちらも新しい2代目モデルとなっています。
このモデルもシエンタと同じようにガソリンエンジンモデルとハイブリッドモデルがありますので、ここではお互いに販売台数が多いハイブリッドモデル同士で比較をしてみたいと思います。

パワースペック比較

●シエンタ

・エンジン:1NZ-FXE型
・駆動用電気モーター:2LM型
・ハイブリッドシステム:リダクション機構付きTHS-II

システムパワー:約100ps

●フリード

・エンジン:LEB型
・駆動用電気モーター:H1型
・ハイブリッドシステム:スポーツハイブリッドi-DCD

システムパワー:約137ps

1.5リッターNAエンジン+電気モーターという組み合わせであることは両車とも全く同じなのですが、フリードは走りにも力を入れて作られたフィットと同じパワーユニットであるのに対して、シエンタは「プアマンズ・プリウス」として急遽作られた大衆コンパクトカーのアクアと同じということで、その違いがシステムパワーに現れたのでしょう。

燃費比較

●シエンタ:カタログ燃費(JC08モード):28.8km/L
●フリード:カタログ燃費(JC08モード):27.2km/L

カタログ燃費ではシエンタの方が燃費性能がよいことになっていますが、トヨタの発表したカタログ燃費ですから実際の実燃費ではフリードの圧倒的な勝利となることでしょう。

販売価格帯比較

●シエンタ:約178万円~約254万円
●フリード:約188万円~約315万円

ライバル同士でこれだけの違い出るのに少しばかり違和感を持つのですが、フリードはお金をしっかりかけて開発されたフィットをベースにして作られていますし、スポーツハイブリッドi-DCDも比較的最近作られたものですので開発費用がまだ回収されていないということもあってこういった金額になってしまうのがよくわかります。
対してシエンタはアクアを基本として既存モデルの寄せ集め的な作り方がされているので安く作れるのでしょう。

まとめ

まだまだ「燃費性能がよい車」・・・というより「カタログ燃費のいい車」が売れる世の中である以上、THS-IIを搭載したハイブリッドモデルはやはりよく売れます。
しかし、こうして車としての性能を見てみると先代モデルと同じように駄作であるように思えます。

狭い、走らない、燃費も思ったほど良くない・・・これがシエンタの本当の姿だと思います。

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