トヨタ

ミニバンとしては大成功したトヨタ・アルファード、「走る車」としてはどうだろうか

トヨタの大型ミニバンといえば、アルファード・ヴェルファイア兄弟車が長男(?)アルファードを忘れていけません。
大きなボディに広いキャビン、豪華な快適装備といった感じでまさに愛知県に本拠地を置く自動車メーカーらしい絢爛豪華さを持ちます。
このモデルは相当いい値段が付けられた高額車両なのですが、そういったことを打ち消すほど高い人気を持ち、大型ミニバンとしては大成功したといえる車になっています。
しかし見かたを変えて、本来の自動車を見る目、走るための車を見る目で見るとちょっとばかり評価が変わってくるようです。

ここではエクステリアとかインテリア、快適装備といったカタログや自動車メーカーに忖度した自動車評論家の意見を見れば知ることができるようなことはさておきにして、アルファードの車としての魅力がどれくらいあるのかを探っていきたいと思います。

トヨタ・アルファードってこんな車

国産自動車メーカーが発売するミニバンの中で比較的古くから発売されているモデルのほとんどが過去にワンボックスワゴンとして発売されていたものを先祖として持ちます。

日産のエルグランドはキャラバン・ホーミー兄弟車、セレナはバネット、三菱のデリカD:5はデリカ(スペースギヤ、スターワゴン)、トヨタのノア三兄弟車はタウンエース・ライトエース兄弟車といった感じですが、このアルファードの当然ながらそういったモデルがあります・・・それはハイエースです。

1980年代後半にマツダがMPVというワゴンモデルを発売し、それをアメリカで使っていた言葉「ミニバン」というものにあてはめて売り込んだことから日本でも注目を集めるようになったミニバン、本来はマイクロバスほどのボディサイズを持つ「バン(アメリカでは商用バンも乗用ワゴンもバンと呼ぶ)」の使い勝手の悪さを改善するために小さなバンを作った・・・「ミニなバン」「ミニバン」といった流れを持つものです。

なので、ボディがそこまで大きなワゴンモデルがない日本では、そういった車を作ることは実は全く意味の無いこと、現実的にできないことなのですが、そこはやっぱり「物売りの性」で聞こえのいい言葉を使おうとするわけです。

ちょうどその頃に日本は死亡交通事故が多発している時で国としても自動車の安全性、特にパッシブセーフティ面に力を入れるような動きがありました。
その観点で見るとワンボックスカーのフロント周りは最悪の構造です。
何しろ衝突する可能性が一番高いフロント周りがたった一枚の鉄板だけで遮られているだけだからです。
軽くぶつかっただけでも足をやってしまうことでしょう。

昔よくワンボックスバンを運転することがあったのですが、今考えると確かに恐ろしい限りですね。

こういった部分を強化すべく自動車メーカーはワンボックスカーのフロントにわずかなボンネットともいえない程度の出っ張りをつけてその部分で衝撃を吸収するような作りを取りました。
しかしこれではもう既に「ワンボックス」ではありません・・・かといても2ボックスでもない、では何といって売り出せばいいのだろう・・・っといったところの「ミニバン」という言葉が使われ始めたのでそれにあやかるではありませんが、わずかなボンネットを持つ元ワンボックスワゴンのことを「ミニバン」と呼ぶようになったのです。

その流れに一番乗りしたのは「ミニバン」という言葉を日本に持ち込んだマツダですが、それを既存モデルの適用させたのは日産が最初で、キャラバン・コーチをキャラバン・エルグランドとして、ホーミー・コーチをホーミー・エルグランドとして、それまで発売していた両ワゴンモデルの更なる上級ワゴンモデルとして販売を開始しました。

このモデルはかなり売れましたが、それを見て悔しい思いをしたのは永遠のライバルであるトヨタでした。
トヨタも当時はハイエース・ワゴンの上級モデル的な形でハイエース・レジアスやグランビア、ツーリング・ハイエース、グランド・ハイエースといった複数のモデルを発売していましたがどれも中途半端な作りを取っていたことから不発で、エルグランドシリーズに対抗できるような新たなモデル開発が急がれていました。

それによって作られ、2002年に発売されたのがアルファードの直接的な先祖モデルとなる「アルファードG」と「アルファードV」でした・・・まだアルファードではありません。

一部ではこのアルファードGとアルファードVをアルファードの初代モデルとしていますが、後にヴェルファイアが分離される形となったため、このモデルはアルファードとは別のアルファードG、アルファードVとしてみるのが正当な考え方です。

この両モデルは販売チャネル違いの兄弟車として販売されそこそこの成功を収めました。
そしてこのモデルが初めてのモデルチェンジを迎えた2008年、それぞれを独立させた形で、アルファードGは「アルファード」として、アルファードVは「ヴェルファイア」という新たなモデルとして発売することになったのです。
これがアルファードの初代モデルとなるH20系型なのです。

このモデルはアルファードGと同じようにカムリを由来とするエスティマのコンポーネントを使って作られたモデルで、エンジンバリ―ションも廉価モデルに2.4リッターNAエンジンを、上級モデルに3.5リッターNAエンジンを、そして遅れる形で2.4リッターNAエンジンにTHS-IIとE-Fourを搭載したハイブリッドモデルが追加されます。

このモデルは大人気となり、その人気を保ったまま2015年にモデルチェンジを受けます。
このモデルでは、それまでエスティマベースとして作られていたものを構造的にも独立させた形を取るようになりました。
独立させたといってもそれほど大きな違いがあるわけではなく、基本的なレイアウトは全く同じです。

ただ、廉価モデルやハイブリッドモデル向けの2.4リッターNAエンジンが2.5リッターへと排気量がアップされたことや最大のウィークポイントで不評だったリヤサスペンションのトーションビームを独立懸架のダブルウィッシュボーンへ変更されています。

これが2019年4月現在の現行モデルH30系型です。

トヨタ・アルファードのモデル構成・グレード構成

アルファードにはここ最近のトヨタらしく非常に複雑で多くのモデルとグレードが用意されています。

2.5リッターNAエンジンモデル

2.5リッターNAエンジンモデルには3つのグレードと2つのサブグレードが用意されています。
駆動方式は全グレードにおいてFFの2WDとスタンバイ4WDの4WDが選べます。

・X グレード(8人乗り)
・G グレード(7人乗り)
・S グレード(7人乗り・8人乗り)
・S Aパッケージ グレード(7人乗り)
・S Cパッケージ グレード(7人乗り)

X」グレードは8人乗り専用グレードでかつ最廉価グレードとなるもので装備面としても一番チープなものとなります。
その「X」グレードに・・・

・225/60サイズ タイヤ
・17インチ×6.5J ハイパークロームメタリック塗装アルミホイール
・UVカット機能+IRカット機能付フロントガラス
・スーパーUVカット+IRカット機能+撥水機能付フロントドアグリーンガラス
・後席用サンシェード
・雨滴感知式オートワイパー
・自動防眩インナーミラー
・メタルウッド+スパッタリング塗装インストルメントパネル
・メタルブラウンウッド塗装本革巻き4本スポークステアリングホイール
・フロントドアアームレスト(ステッチ付合成皮革巻き)
・LEDパーソナルランプ
・ドアカーテシランプ
・合成皮革シート
・運転席8ウェイパワーシート
・助手席4ウェイパワーシート
・助手席パワーオットマン
・快適温熱シート+ベンチレーションシート(運転席・助手席)
・リラックスキャプテンセカンドシート
・メタルブラウンウッド折りたたみ式サイドテーブル

といった装備を追加したのが「G」グレードとなります。

それから「S」グレードですが、このグレードはいわゆるドレスアップグレードとされるもので、装備としては、「X」グレードのものに・・・

・235/50サイズ タイヤ
・18インチ×7.5Jアルミホイール
・専用フロントバンパー
・専用リヤバンパー
・専用サイドマッドガード
・スーパーUVカットフロントドアグリーンガラス
・メタルウッド+シルバー塗装インストルメントパネル
・専用オプティトロンメーター
・合成皮革+シルバー塗装+メタルウッド塗装ドアトリム
・リラックスキャプテンセカンドシート(7人乗り)
・6:4分割チップアップシート(8人乗り)

をつけた形で構成されています。

そして更に

・スーパーUVカット+IRカット機能+撥水機能付フロントドアグリーンガラス
・助手席スーパーロングスライドシート機能
・エクストラロングラゲージモード機能付リラックスキャプテンセカンドシート
・メタルウッドハイグレードコンソールボックス
・両側パワースライドドア
・バックドアイージークローザー

といった装備を追加したのが「S Aパッケージ」グレードで、更に・・・

・18インチ×7.5J 専用デザインアルミホイール
・UVカット機能+IRカット機能付フロントガラス
・後席用サンシェード
・雨滴感知式オートワイパー
・メタルウッド+スパッタリング塗装インストルメントパネル
・メタルウッド塗装本革巻き4本スポークステアリングホイール
・ステアリングヒーター
・フロントドアアームレスト(ステッチ付合成皮革巻き)
・合成皮革(ステッチ付)+スパッタリング+メタルウッド塗装ドアトリム
・金属調ロゴ付ドアスカッフプレート
・本革+メッキロングアシストグリップ
・LEDパーソナルランプ
・ドアカーテシランプ
・合成皮革シート
・運転席8ウェイパワーシート
・助手席4ウェイパワーシート
・助手席パワーオットマン
・快適温熱シート+ベンチレーションシート(運転席・助手席)
・エグゼクティブパワーセカンドシート
・メタルウッド折りたたみ式サイドテーブル

などを追加したのが「S Cパッケージ」グレードとなります。

3.5リッターNAエンジンモデル

3.5リッターNAエンジンモデルには2つのグレードが用意されています。
こちらも駆動方式はすべてのグレードにおいて2WDと4WDがあります。

・GF グレード
・SC グレード

標準的なグレードとなるのが「GF」グレードで、これには2.5リッターエンジンモデルの「G」グレード相当の装備が与えられていますが、最上級グレードならではの特別な装備として、更に・・・

・アイドリングストップ機構
・ステアリングヒーター
・読書灯(リヤ2個/LED調光機能付)
・蓄冷エバポレーター付きオートエアコン
・本革シート
・快適温熱機能付エグゼクティブパワーシート
・ウェルカムパワースライドドア&予約ロック機能付スマートエントリーシステム
・パワーバックドア

などが追加されます。

SC」グレードは、3.5リッターNAエンジンモデルのドレスアップグレードとなるもので、「GF」グレードの装備に・・・

・235/50サイズ タイヤ
・18インチ×7.5J 専用デザインアルミホイール
・専用フロントバンパー
・専用リヤバンパー
・専用サイドマッドガード
・メタルウッド+スパッタリング塗装インストルメントパネル
・専用オプティトロンメーター
・メタルウッド塗装本革巻き4本スポークステアリングホイール
・合成皮革(ステッチ付)+スパッタリング+メタルウッド塗装ドアトリム

を追加する代わりに・・・

・読書灯の廃止
・アクセサリーコンセントの廃止
・合成皮革シートへのグレードダウン
・エグゼクティブパワーシートの快適温熱機能の廃止

がされています。

ハイブリッドモデル

ハイブリッドモデルには4つのグレードと2つのサブグレードが用意されています。
駆動方式はE-Fourを採用しないとハイブリッド化することができないことからすべてのグレードにおいて4WDのみとなります。

・HYBRID X グレード
・HYBRID G グレード
・HYBRID G Fパッケージ グレード
・HYBRID S グレード
・HYBRID SR グレード
・HYBRID SR Cパッケージ グレード

装備面に関しましては、2.5リッターNAエンジンモデルに用意されているグレードのものとほぼ同じとなり、

・「HYBRID X」グレードは「X」グレード相当
・「HYBRID G」グレードは「G」グレード相当
・「HYBRID S」グレードは「S」グレード相当

となります。

2.5リッターNAエンジンモデルに相当するグレードがない「HYBRID G Fパッケージ」グレード、「HYBRID SR」グレード、「HYBRID SR Cパッケージ」グレードは、それぞれ以下のような装備となります。

HYBRID G Fパッケージ」グレードは「HYBRID G」グレードの装備に・・・

・読書灯
・アクセサリーコンセント
・本革シート
・エグゼクティブパワーシート
・ウェルカムパワースライドドア&予約ロック機能付スマートエントリーシステム
・パワーバックドア

を追加したもの。

HYBRID SR」グレードは、「HYBRID S」グレードの装備に・・・

・雨滴感知式オートワイパー
・リバース連動機能付オート電動格納式リモコンカラードドアミラー
・メタルウッド+スパッタリング塗装インストルメントパネル
・合成皮革(ステッチ付)+スパッタリング+メタルウッド塗装ドアトリム
・金属調ロゴ付ドアスカッフプレート
・本革+メッキロングアシストグリップ
・足元照明付イルミネーテッドエントリーシステム
・ドアカーテシランプ
・合成皮革シート
・運転席8ウェイパワーシート
・助手席4ウェイパワーシート
・助手席パワーオットマン
・快適温熱シート+ベンチレーションシート(運転席・助手席)
・メタルウッド折りたたみ式サイドテーブル

などを追加したもの

HYBRID SR Cパッケージ」グレードは「HYBRID SR」グレードの装備に更に・・・

・ステアリングヒーター
・読書灯
・本革シート
・エグゼクティブパワーセカンドシート
・ウェルカムパワースライドドア&予約ロック機能付スマートエントリーシステム
・パワーバックドア

を追加装備したものとなります。

VIPカー向けモデル

このモデルは、3.5リッターNAエンジンモデルとハイブリッドモデルに用意されているモデルでいわゆるVIPカーとして使うこと前提にして作られているモデルです。

標準モデルとの大きな違いはインテリアの質とシートの機能性です。

グレードとしては3.5リッターNAエンジンモデルに2グレード、ハイブリッドモデルに2グレードとなり、駆動方式は3.5リッターNAエンジンモデルに2WDと4WDの2種類、ハイブリッドモデルは4WDのみとなります。

・エグゼクティブラウンジ
・エグゼクティブラウンジS
・HYBRIDエグゼクティブラウンジ
・HYBRIDエグゼクティブラウンジS

エグゼクティブラウンジS」グレード、「HYBRIDエグゼクティブラウンジS」グレードは他のモデルにも用意されているドレスアップグレードと同じようなもので・・・

・専用フロントバンパー
・専用リヤバンパー
・専用サイドマッドガード
・専用インテリアパーツ

などが専用装備として与えられているだけのものです。

トヨタ・アルファードの動力性能

アルファードには3つのパワーユニットが設定されています。

2.5リッターNAエンジン

・エンジン型式:2AR-FE型
・エンジン排気量:約2.5リッター
・エンジン形状:直列
・シリンダー数:4気筒
・バルブ構造:DOHC16バルブ

スペックは・・・

・最大出力:182ps/6000rpm
・最大トルク:24.0kgf・m/4100rpm

※エンジン排気量1リッターあたりのパワー:約72.8ps
※パワーウェイトレシオ:約10.9kg/ps

今回のモデルから廉価モデル用のエンジンとして新しく採用されたものです。
一部に中国製の部品を使って作られていることから何かとトラブルが多いエンジンでもあります。
それにしても2トン近くの重さを持つ車に200ps以下のエンジンを搭載するというのはそろそろ考え直していもらいたいものです。

3.5リッターNAエンジン

・エンジン型式:2GR-FKS型
・エンジン排気量:約3.5リッター
・エンジン形状:V型
・シリンダー数:6気筒
・バルブ構造:DOHC24バルブ

スペックは・・・

・最大出力:301ps/6600rpm
・最大トルク:36.8kgf・m/4600rpm~4700rpm

※エンジン排気量1リッターあたりのパワー:約86ps
※パワーウェイトレシオ:約7.14kg/ps

NAエンジンですのでトルクはあまりありませんが、やはりこれくらいのパワーがないと大型ミニバンとは言えないでしょう。

2.5リッターNAエンジン+ハイブリッドシステム

●エンジン
・エンジン型式:2AR-FXE型
・エンジン排気量:約2.5リッター
・エンジン形状:直列
・シリンダー数:4気筒
・バルブ構造:DOHC16バルブ
・ミラーサイクル制御

スペックは・・・

・最大出力:152ps/5700rpm
・最大トルク:21.0kgf・m/4400rpm~4800rpm

●フロント電気モーター
・電気モーター形式:2JM型

スペックは・・・

・最大出力:143ps
・最大トルク:27.5kgf・m

●リヤ電気モーター
・電気モーター形式:2FM型

スペックは・・・

・最大出力:68ps
・最大トルク:14.2kgf・m

●ハイブリッドシステム:THS-II
●ハイブリッドバッテリー:ニッケル水素バッテリー

※システムパワー:197ps
※エンジン排気量1リッターあたりのパワー:約78.8ps
※パワーウェイトレシオ:約11.3kg/ps

このパワーユニットは先代モデルH20系に搭載されていたハイブリッドモデルの組み合わせとほぼ同等のものです。
エンジンの2AR-FXE型は先代モデルに搭載されていた2AZ-FXE型の後継エンジン、フロント駆動用の電気モーターは全く同じ、リヤ駆動用の電気モーターも形式とパワーは同じでトルクが若干高められているだけ、ハイブリッドシステム自体も当然ながらTHS-IIですし、ハイブリッドバッテリーも低価格のニッケル水素バッテリーが採用されています。
システムパワーもたった7psしか違いはないで、先代モデルのものとほぼ同じといっていいかと思います。

トヨタ・アルファードの走行性能

安全に快適に家族を目的地に運搬するための車であるミニバンですので、それがたとえ大型ミニバンであっても走行性能に期待をかけることはしない方がいいでしょう。

以下を見ればわかります。

トランスミッション

アルファードではそれぞれのパワーユニットに対してひとつずつのトランスミッションを用意しています。

●CVT
これは2.5リッターNAエンジンモデルに搭載されるもので、トヨタ名でいえば「Super CVT-i」と呼ばれるものが採用されています。
といっても、いわゆる電子制御による油圧作動式CVTで、構造的にはごく一般的な金属ベルトを用いた無段変速機です。

ただ、無段変速がメリットのCVTに疑似的な有段変速をもたらす「7速スポーツシーケンシャルシフトマチック」などとかなりオーバーな名称がついたマニュアルモードはいりません。
そもそも大型ミニバンの廉価モデルで200psにも満たないパワーしかないのにマニュアルモードも派手な名称も全く持って不要です。

●8速オートマチックトランスミッション
これは3.5リッターNAエンジンモデルに採用されているものでトヨタでは「Direct Shift-8AT」と呼んでいます。
こちらも名称がかなりオーバーで、言い換えればロックアップ範囲を広げた制御をとる電子制御油圧作動式オートマチックトランスミッションということです。
変速段数は8速と大衆車にしては多段化されていますが、こちらも「8速シーケンシャルシフトマチック」とたいそうな名称が付けられたマニュアルモードが用意されていますが、大衆ファミリーカーにそこまで必要ありません。

●ギヤ式無段変速機
これはハイブリッドモデルに採用されているもので、トヨタのハイブリッドモデルではおなじみのものとなりまう。
THS-IIの一部となっている関係上、THS-IIを用いたモデルのすべてにこのトランスミッションが使われています。
無段変速機といってもCVTのようなベルト式ではなく、遊星ギヤと電気モーターの抵抗を用いてギヤによって無段変速を可能にしたものです。
これにも「6速シーケンシャルシフトマチック」などといったマニュアルモードが付けられていますが、ガソリン代をケチりたい方向けのハイブリッドモデルに必要なのでしょうか。

ボディ剛性・強度

どんなに新しくなってもどんな設計を取っても使う鋼材が軟で、フレームなどに使う鋼板の厚みが薄ければまともなボディ剛性を持つことなどできません。
これまでたくさんの車を作ってきて、いろいろなユーザーからボディ剛性が弱いといい続けられてきているのにまだわからないようですね、トヨタの開発陣は・・・。

ノア三兄弟車に比べるとまだましですが、まだまだ貧弱です。

サスペンション構造

今回のモデルになって唯一ほめるべきところがこのサスペンション構造でしょう。
フロントは実績のあるマクファーソンストラットなのでいいとして、リヤが今回からダブルウィッシュボーンの独立懸架になったのです。

先代モデルまでは決して高額車両の付けられるべきサスペンション構造とは言えない、軽自動車でも採用しているトーションビームだったのですが、それが今回から高額車両に見合ったダブルウィッシュボーンになったのです。
大衆ファミリーカーらしく乗り心地がかなり改善されたことの他に走行性能面としてもリヤタイヤの接地性が高まりました。
特に下り坂での急ブレーキといった荷重のほとんどがフロントタイヤにかかってしまうといったような状態では、先代モデルまでは少しでもステアリングを切るとすかさずリヤタイヤがリバースしようとするのですが、このモデルになってからはかなりこらえてくれるようになりました。

これは走行性能の向上と共に、大衆ファミリーカーのドライバーにありがちな何も考えずに運転している方にとっては立派な安全装備になると思います。

トヨタ・アルファードの燃費性能

●2.5リッターNAエンジンモデル

・カタログ燃費(JC08モード):最大11.6km/L
・実燃費:約7km/L

●3.5リッターNAエンジンモデル

・カタログ燃費(JC08モード):最大10.8km/L
・実燃費:約5km/L

●ハイブリッドモデル

・カタログ燃費(JC08モード):最大19.4km/L
・実燃費:約13km/L

2トン近くもある車両重量、空気抵抗が大きいボディ、排気量の大きなエンジン・・・さすがにハイブリッドシステムやいろいろな低燃費装備をつけていてもこれだけ燃費性能に不利に働く要素を持っていれば燃費性能がよくなるはずはありません。
これでもかなり頑張っている数字だと思います。

まとめ

確かに威風堂々としたエクステリアデザインやかなり豪華なインテリア、そして無駄ともいえるぐらいの快適装備がおごられていて大衆ファミリーカーとしてはかなり優れた車と見ることができますが、動力性能は思ったほどでもありませんし、仮にパワースペックの数字が良くてもそれがすべて重たい車重に吸収されてしまう。
リヤサスペンションがグレードアップされてかなりよくなりましたがやはり大きく重たいボディがそれらをスポイルしてしまいます。

いくら高額な車両価格が付けられていたとしてもやはり大衆ファミリーカーに「クルマ」としての性能を求めるのは無駄なことであったようです。

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