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日産マーチは女性に優しい大衆コンパクトカー|ニスモやボレロの特徴

日産のコンパクトカーの元祖モデルといっていいのがこのマーチでしょう。

それこそずば抜けた人気があるわけではありませんが、ベーシックモデルであるためかコンスタントな売れ行きを見せています。

そんなマーチの魅力をちょっと違った目線から見ていきましょう。

マーチってこんな車

まずはマーチを知ることから始めないといけません。

マーチは日産で初めて発売されたコンパクトカーです。
それまで日産では、エンジン排気量の小さなモデルとしてチェリー(パルサー)やサニーといった1.3リッタークラスのモデルを最小モデルとして作り続けてきました。

しかし1980年代に入り、女性が運転免許を取得することが多くなり、自動車の保有に関してもそれまでの夫の車、親の車を借りて運転するという形ではなく、女性ドライバー自らがマイカーを持つという傾向が高まってきたのでした。

しかし、女性ドライバーは男性ドライバーのようにエンジン排気量やボディサイズが大きな車を好みません。
これは医学的に認められていることなのですが、そもそも女性は男性と比べて自動車運転のような機械操作が苦手な脳を持っていることわかっていて、そのことを自らが知ってか知らずかはわかりませんが、どういうわけか扱いやすいパワーの無い小さなエンジンを搭載した車、取り回しがしやすい車を選ぶ傾向があるようなのです。

そういった中で当時発売されていた1.3リッターとか1.5リッタークラスの車は大きすぎるということで女性ドライバーがより小さな車を選ぶという流れができてきたのです。

その先にあったのが軽自動車ということになりますが、その軽自動車が売れることで登録車の小型モデルの売れ行きが悪くなり、軽自動車を持たない自動車メーカーの販売台数が低迷していったのでした。

その販売不振を打開しようということで考えられたのがより小さなエンジンとボディサイズを持った小型車、今でいうところのリッターカーでした。

その名の通り、1リッタークラスのエンジンを搭載し、軽自動車に近い小さなボディを与えて作った車がこのマーチです。

1982年に初代モデルのK10型が発売されて以来、1992年に2代目モデルとしてK11型が、2002年に「日産3大醜車」に数えられるK12型が、そして2019年現在で現行モデルとして発売されているのが2010年に発売されたK13型です。

マーチのモデル構成・グレード構成

K13型マーチには、3モデル、10グレードのモデルが用意されています。
モデル構成は・・・

・標準モデル
・オーテックモデル(ボレロ)
・NISMOモデル

となり、それぞれ標準モデルに6グレード、オーテックモデル(ボレロ)に2グレード、NISMOモデルに2グレードというグレードが与えられています。

標準モデル

・Sグレード・・・廉価グレード
・Sプラムインテリアグレード・・・Sグレードにメッキパーツを追加したもの
・X Vセレクショングレード・・・標準グレード
・Gグレード・・・最上級グレード
・X FOUR Vセレクショングレード・・・X Vセレクショングレードの生活四駆モデル
・G FOURグレード・・・Gグレードの生活四駆モデル

※グレード間の違いはすべてにおいて装備だけで、パワーユニットやドライブトレーン、サスペンションなどはどれも同じです。
4WDモデルはモーターアシスト式を採用しています。

オーテックモデル(ボレロ)

・ボレロ(FF)グレード・・・ボレロの標準モデル
・ボレロ(4WD)グレード・・・ボレロの生活四駆モデル

※ボレロ(FF)グレードは標準モデルの「X Vセレクション」グレードベース、ボレロ(4WD)グレードは標準グレードの「X FOUR Vセレクション」グレードベースとなります。

ボレロモデルは、それらの装備にボレロモデル専用のパーツが追加された形で構成されているモデルですので、標準モデル同様にパワーユニットやドライブトレーン、サスペンションなどは同じです。

NISMOモデル

・NISMOグレード・・・1.2リッターNAエンジンモデル
・NISMO Sグレード・・・唯一1.5リッターNAエンジンを搭載するモデル

※NISMOグレードは標準モデルの「X FOUR Vセレクション」グレードをベースにしてそれにNISMOモデル専用のパーツを追加したもの、NISMO Sグレードは基本は標準モデルの「S」グレードとなりますが、エンジンを1.5リッターエンジンに、トランスミッションを5速マニュアルトランスミッションに置換し、更にNISMOモデル専用のパーツを追加した形で作られているものです。

マーチの動力性能

マーチには2種類のパワーユニットが用意されています。

HR12DE型

このエンジンは現在の日産のコンパクトカーモデルの基本となるエンジンで、このK13型マーチで初採用となったものです。
現在ではマーチ以外にもノートの廉価グレードに採用されています。

1.2リッター直列3気筒DOHC12バルブ NAといった構造を持ち、バルブ構造にCVTCと呼ばれる油圧式連続可変バルブタイミング機構を備えます。

スペック的には・・・

・最大出力:79ps/6000rpm
・最大トルク:10.8kgf・m/4400rpm

と決して優れているとは言えませんが、女性ドライバーが乗る車であることを考えれば、むしろこれ以上のパワーを持たせても持て余し、危険運転に繋がってしまうことでしょう。

HR15DE型

このエンジンはNISMOモデルのNISMO Sグレードにのみ採用されているエンジンでマーチの中ではスポーティーなエンジンという位置づけになっています。

1.5リッター直列4気筒DOHCバルブ NAに連続可変バルブタイミング機構であるCVTCを備えているエンジンですが、確かに1.2リッターNAのHR12DEよりは優るスペック・・・

・最大出力:116ps/6000rpm
・最大トルク:15.9kgf・m/3600rpm

を持ちますが、このスペックでスポーティーモデルであるNISMOモデル、それもその中のハイパワーグレードと位置付けられているNISMO Sグレードのパワーユニットとしては物足りません。

NAエンジンでパワーのあるエンジンか、否かを判断する指標となる「リッターあたり100ps」にあてはめてみてもこのエンジンはリッターあたり約77.3psとなることからカタログやメディアが言うような優れた走りはできないことがわかります。

そもそも女性向けの大衆車をスポーティーモデルに仕立てようとすること自体に無理があるのかもしれません。

マーチの走行性能

マーチはいわゆる大衆コンパクトカーで、とにかく生産コストを抑えることを重視して作られている車ですので、見た目ではわかりにくい部分である走行性能に関してはかなり手を抜いています。

まずシャシーですが、プラットフォーム自体はノートと同じものですが、ベースとなったマーチの方がホイールベースが短くなっています。
もともとマーチやノートに使われている日産のVプラットフォームは小型大衆車向けの安価なプラットフォームとして設計されているものですからそれに優れたシャシー性能を求めることはできません。

ボディ剛性・強度

シャシー自体がそれほど頑強なものではないため、ボディ剛性やボディ強度もそこそこといった感じです。
路面から強い入力があったり、それなりのスピードでコーナーリングをした時に強い横Gがかかるとボディ全体が大きく歪みますし、年式が進んだ古いモデルとなるとギシギシと音を立てるようになります。

サスペンション構造

サスペンションにおいても大衆車の域を出ません。
フロントサスペンションこそマクファーソンストラットを採用した独立懸架となりますが、リヤサスペンションは低コスト車ならではのトーションビームとなります。

FFモデルで女性ドライバーがするような「ゆっくりのんびり走行」であれば、これでも十分かもしれませんが、このモデルをスポーティーモデルとして扱うために作ったNISMOモデルでは路面追従性に難が出ます。

コイルスプリングのスプリングレートやショックアブソーバーの減衰力は女性ドライバーにあわわせて柔らかめで、逆にNISMOモデル用として与えられているスプリングやショックアブソーバーで標準的な硬さとなるレベルです。

マーチの燃費性能

現行型マーチは2010年に発売された少しばかり設計が古いモデルで、そもそも日産は当時もそうでしたが「低燃費」というものにあまり興味を示していなかったことから、このK13型マーチにおいても派手な低燃費装備というものが採用されていません。

採用されている低燃費装備を強いてあげるとすれば・・・

・アイドリングストップ機構(一部の上級グレードのみ)
・バルブ構造としての連続可変バルブタイミング機構
・オルタネーター制御
・CVT
・電動パワーステアリング

ぐらいです。

しかし、エンジン排気量が小さいからか、それともエンジン自体が持つ燃費性能が優れているのか、なかなか優れた燃費性能を発揮するのは驚きです。

・標準モデル、オーテックモデル:最大23.0km/L
・NISMOモデル(NISMOグレード):約21km/L(非公表値)
・NISMOモデル(NISMO Sグレード):約17km/L(非公表値)

マーチのライバルは?

マーチは始まりこそリッターカーでしたが現在は1.2リッターNAエンジンを搭載するコンパクトカー、それもどちらかといったら女性向けのモデルとして作られている車です。
そういった観点からライバル車を探してみると、トヨタ・パッソ/ダイハツ・ブーン兄弟車、中でもブーンの「STYLE」モデルが適していると思われます。

ダイハツには1.2リッターNAエンジンがないので、1リッターNAエンジン搭載モデルということになりますが、それでも女性向け大衆コンパクトカーという点が同じですので良きライバルとなることでしょう。

エンジンスペック比較

・マーチ:79ps(1.2リッターNAエンジンモデル)
・ブーン:69ps(1リッターNAエンジンモデル)

10psの差がありますがこれはエンジン排気量が200ccも違うことからくるため仕方がないでしょう。

燃費比較

・マーチ:最大23.0km/L
・ブーン:28.0km/L

燃費性能に関してもエンジン排気量に違いが顕著に出ているものと思われます。

販売価格帯比較

・マーチ:約152万円~約185万円
・ブーン:約117万円~約189万円

低価格帯はマーチの方が高いですが、高価格帯はブーンの方が高くなります。

エンジン排気量が1.2リッターのマーチより1リッターのブーンの方が高いというのはちょっと解せません。

マーチは女性向けモデル

マーチは大衆コンパクトカーとして作られている車で、基本的には老若男女、誰が運転してもいい車であるわけですが、初代モデルより女性ドライバー向けの車としての要素が強く、特にK12型からこのK13型においてはそれがかなり強く出ています。
そういえる理由はマーチに与えられたものを見ればすぐにわかります。

ボディカラー

ボディカラーにおいては、定番カラーに加えて

・ナデシコピンク
・スプリンググリーン
・サンライトオレンジ
・ラディアントレッド
・ナイトベールパープル

といったいかにも女性が好みそうなカラーが用意されています。

女性向けモデル三種の神器の搭載

女性向けモデルとして車を作る時に必ず装着される快適装備

・オートエアコン(メーカーオプション)
・UVカットガラス(一部メーカーオプション)
・インテリジェントキー(一部グレードのみ)

が付けられています。

運転補助機能

運転が苦手である女性ドライバーを補助するための装備が付けられているのも女性向けモデルならではのものです。
マーチには

・タイヤアングルインジケーター

といったフロントタイヤの向きを車内にいながらして知ることができる機能がついています。

それ以外にも女性ウケするインテリアカラーを採用したり、女性が大好きな記念日を教えてくれるフレンドリーメッセージ表示機能などが付けられていることからマーチは女性向けモデルであるといえます。

まとめ

日産のコンパクトカーとして古くから販売されているマーチ、途中ルノーの手によってとんでもない車にされてしまった悪しき歴史を持ちますが、現在のK13型になって、それは克服されまともな大衆コンパクトカーとなりました。

特にK13型になってからは特に女性向けモデルとしての傾向が強くなったことから・・・

「車は欲しい、でも軽自動車はイヤ!」

という女性ドライバーに最適な車といえるでしょう。

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